角ぐむ
三島江や霜もまだひぬ蘆の葉に角(つの)ぐむほどの春風ぞ吹く(新古今和歌集)、
の、
角ぐむ、
は、
角のような芽を出す、
意、
蘆の芽はとがっているので錐や動物の角に喩えられる、
とある(久保田淳訳注『新古今和歌集』)。この歌の本歌は、
三島江に角ぐみわたる蘆の根のひとよのほどに春めきにけり(後拾遺・曾禰好忠)、
である(仝上)。
…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか