夢の浮橋
春の夜の夢の浮橋とだえして峰に別るる横雲の空(新古今和歌集)
の、
夢の浮橋、
は、
夢を不安定な浮橋に喩える、
とあり(久保田淳訳注『新古今和歌集』)、
文選・高唐賦で宋玉が叙す、宋の懐王が昼寝の夢裡に巫山の神女と契ったという朝雲暮雨の故事を面影とする、妖艶な気分の濃い春の歌。定家卿百番自歌合に自選している、
と注釈がある(仝上)。
夢の浮橋…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか