たのむの雁
今はとてたのむの雁もうちわびぬおぼろ月夜のあけぼのの空(新古今和歌集)
時しもあれたのむの雁の別れさへ花散る頃のみ吉野の里(仝上)
の、
たのむの雁、
は、
田の面の雁、
の意で、
忘るなよたのむの沢を立つ雁も稲葉の風の秋の夕暮れ(仝上)、
の、
たのむ、
は、
田の面、
の訛音、
みよし野のたのむの雁もひたぶるに君が…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか