稲筵

あらし吹く岸の柳の稲筵おりしく波にまかせてぞ見る(新古今和歌集)、 の、 おりしく波、 は、 折り返してはしきりに寄せる波、 の意で、 「折り」に「筵」の縁語「織り」、「しく」は頻りに起こるの意の「頻く」に「筵」の縁語「敷く」を掛ける、 とある(久保田淳訳注『新古今和歌集』)。 稲筵、 は、 秋の田の稲穂が波打つ有様を筵に喩えていう…

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