思ひあへず
月見れば思ひぞあへぬ山高みいづれの年の雪にかあるらむ(新古今和歌集)、
の、
思ひあへぬ、
は、
とうてい思いきれない、
と訳注があり(久保田淳訳注『新古今和歌集』)、
一声は思ひぞあへぬほととぎすたそかれ時の雲のまよひに(新古今和歌集)、
の、
思ひあへぬ、
は、
(確かに鳴いたと)思いきれない
と訳注される(仝上)。
…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか