身体から精神へ
市川浩『精神としての身体』を読む。
何度目だろう。判型が変わり、文庫になっても読んだ。しかし、読み直してみると、若い頃、なぜ熱中し、何度も読みたいと思ったのかがわからない。1975年初版の、半世紀前ということもあるので、多少の古さを感じることもあるにしても、この論旨のたどり方の、機能的な分解の仕方は、どうも、いま読み直すと、機械的すぎる気がしないでもない。
本書は、コギト…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか