さぐくむ
朝なぎに水手(かこ)の声呼び夕なぎに楫(かぢ)の音(おと)しつつ波の上(うへ)をい行きさぐくみ岩の間をい行き廻(もとほ)り稲日都麻(いなびつま)浦みを過ぎて鳥じものなづさひ行けば(丹比真人笠麻呂)、
の、
稲日都麻(いなびつま)、
は、
加古川河口の三角洲、
とある(伊藤博訳注『新版万葉集』)。「水手」については触れた。
い行きさぐくむ、
は、
…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか