2012年11月20日

宇宙の中の第二の地球を探す~『もう一つの地球が見つかる日』について



タイトルにつられて,レイ・ジャヤワルダナの『もう一つの地球が見つかる日』を読み始めた。映画『アバター』をはじめ,SFでは地球外生命体,エイリアンや異星人の住む惑星は,定番になっている。しかし,本書は,プラネットハンターたちの栄光と悪戦苦闘を,描いている。著者は,「アースツイン(地球の双子)の発見もそう遠いことではない」という。すでに,太陽系外惑星の数は,750を超え,2012年中には1000の大台を超える,と言われている。

もちろん,「太陽系外に地球サイズの惑星を発見したり,あるいはその存在を単に想像するのと,生命の存在を発見するのとでは全く次元の異なる話」であるし,かりにバイオマーカー(生命の存在を示す兆候)を発見しても,「単純な細菌によるものなのか高等な宇宙生物によるものなのかは区別がつかない」にしても,「銀河系内で技術文明をもつのはわれわれ人間だけだと考えるのは,思い上がりではないにしても,ばかげているように思われる。銀河系内には2000億個もの恒星があり,惑星もいたるところに存在しているようだし,宇宙には,生命のもととなる物質が豊富にあるから」だ,と著者は言う。だが,「地球外生命体が存在する可能性を考えるのと,その証拠を摑むのは全く別の問題」だ」とも言う。

そのための営々とつづくプラネットハンターの探索の歴史があるからだろう。この探索は,「この世界は一つだけなのか」という問いから始まり,最初に,カントが,「惑星は若い太陽を取り巻いている希薄な粒子雲が合体して生まれた」と提唱し,太陽系の内側にある惑星が高密度なのは,,重い粒子が太陽のそばに集まったためだし,外側にある惑星が巨大になったのは,はるかに大量の物質を集めることができたからだと,論じた。その後さまざまな曲折をへて,「現在考えられている惑星誕生の過程の大筋は,初期のカントの考えに似ている」という。つまり,惑星はありふれた存在だということになる。

だとして,数ある惑星の中で,生命に適した惑星の条件は何なのか。

まずは適度な大きさ。誕生したときの質量の大きさが地球の10倍を超える惑星は,周囲に残っている円盤ガス(恒星の周囲のという意味)を大量に集めて,木星や土星のような巨大ガス惑星になる。その表面に,陸地に相当する個体部分がない。逆に,惑星の質量が小さすぎると,待機を保持できず,水があっても,蒸発してしまう。また気候の安定に必要なプレートの相互運動があることで,大気,海,地殻の間で二酸化炭素などの物質が循環する。プレート運動が生じるには,最低でも,地球の1/3の質量が必要で,火星はそれを下回っている。

第二は軌道がほぼ円形になっていること。円形軌道なら惑星は一年を通じて均一の熱を中心星(恒星,地球にとっての太陽)から受け取ることができる。細長い軌道では,極端な場合,寒暖の差が激しすぎる。

第三は,惑星がどこに位置しているか。「ふさわしい」恒星の近くに位置していることが不可欠の条件になる。どのような恒星が,ふさわしいのか。ひとつは,生命が誕生して進化するのに十分な期間にわたって存続できるように,恒星の寿命が長いこと。大質量だと数億年で燃焼してしまう。質量の小さい赤色矮星は数千億年と長い。太陽は,100億年なので,寿命としては,その中間にある。また惑星の属している恒星の近くにどんな天体があるかも,重要だ。近くに恒星が密集していれば,生命には危険になる。太陽は,銀河系の外縁にあるのが幸いしている。

第四は,水の存在。その意味では恒星に近すぎても遠すぎてもいけない。液体の水が存在するのに適した温度になっている範囲を,「ハビタブル・ゾーン」という。地球は,太陽のハビタブル・ゾーン内に位置しているが,金星は,ハビタブル・ゾーンよりも太陽に近いところにあり,火星は,かろうじてハビタブル・ゾーンにとどまっている。

第四は,二酸化炭素とメタンの存在。初期の地球では,太陽はいまの70%しか明るくなかった。したがって地表は0℃以下であったとされる。そこで水が存在したのは,二酸化炭素とメタンの温室効果による。それは,プレート運動によって,大気中の二酸化炭素と海洋と地殻中の炭酸塩との間での循環によって温室効果が機能してきた。

第五は,酸素とメタンの共存。酸素とメタンは互いに相手を分解してしまうので,化学的には共存できない。したがって共存している場合は,地表の生物によって,絶えず生み出されていることを示している。

こう見ると,惑星の数は無数としいうほどあるかもしれないが,意外と,地球という存在の条件は厳しいのかもしれない。いや踏み込むと,惑星が何千というオーダーであることはあるだろうが,その中で地球になれる条件は隘路なのではないか。素人考えだが,そんな気がする。別に地球の特殊性を強調する気はないが。たとえばねハビタブル・ゾーンにあっても,ちょっと条件が違えば,火星のように,地球になりそこなう。

かつて,宇宙は膨張している,ということを読んだ時,その膨張し続ける宇宙の外は何があるのか,この宇宙を支えている世界とは何なのか,と瞬間に疑問に思ったものだ。ビックバンからこの宇宙が始まったとする。では,その前は何なのか。それは時間と空間について,問いを出していることになる。時間は非可逆であるとされるが,膨張した後,再び収縮するとするなら,その後,またビックバンを繰り返すのか,素人ながら,宇宙を考えていると,わくわくする。これをスピリチュアルに考えようとする向きがあるが,それは宇宙という膨大な広がりを,矮小化しているとしか思えない。人間の不遜さの現れに,僕には見える。いまあるこの人の尺度で測れない世界を,そのまま受け止めるとすると,少なくとも,他の生命体が住む惑星が発見された時,その認識の突破口になるのではないか。

著者はこう断言する。

「どんな形にせよ,地球外生命-たとえそれが原始的な生命であっても-科学の世界を震撼させる劇的な出来事になるはずである。その影響の大きさに匹敵するものと言えば,地球を宇宙の中心から追い出したコペルニクスの太陽中心説,人間も含め,地球上すべての種は共通の祖先の末裔であるとしたダーウィンの進化論くらいしかないだろう。もし生命が二つの惑星でそれぞれ独自に誕生できるなら,地球外の1000,さらには100万の惑星でも誕生するとしていけない理由がどこにあると言うのだろう。地球だけが生命の生息する惑星ではないことがはっきりすれば,その影響は計り知れないほど大きく,科学におけるパラダイム・シフトの引き金になるだけでなく,宗教から芸術にいたる人間のさまざまな営みに大きな変革をもたらすことになるはずだ。そんな劇的な瞬間の訪れは,もはや遠い将来にやってくるかもしれない出来事ではない。今後10年以内とはいかなくても,われわれが生きているうちに『その時』を迎えることになるだろう。」

我々の生きているうちにその日が来る。それを楽しみにしたい。その時何が起きるのかが,目撃できるのだ。わくわくするではないか。

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http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm



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posted by Toshi at 05:23| Comment(2) | 宇宙物理学 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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