発想の前提条件について~マインドセットの切り替え
発想をスキルから考えるのもいいし,人とのキャッチボールから考えるのもいい。例のブレインストーミングストーミングは,いわば,アイデアや発想を自己完結しないためのいい仕組みだ。ブレストについては,
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/prod083.htm
を見ておいてほしいが,そのほか,コミュニケーションにかかわるチェックリストは,次のように結構ある。
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/prod064.htm
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/prod0640.htm
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/prod06400.htm
基本的に,アイデアや発想に,否定やネガティブはないのだから,このブレスト4条件は,マインドセットの基本中の基本だろう。確か,カーネギーも『人を動かす』で言っていた気がする。
「二人の人がいて,いつも意見が一致するなら,ひとりはいらない」
と。人はそれぞれ違う。しかしその違いは,微細かもしれない。アイデアで大事なのは,その微細にこだわることでもある。アイデアを考えるのは,議論するのではない。勝ち負けでもない。正否でもない。カーネギーの言う,「議論に負けても意見を変えない」というその個を大事にしつつ,しかし,人は一方で,使い慣れた脳しか使わない,機能的固着に陥っている。自己完結は,絶対タブーなのだ。
そのほかに,考えられるのは,3つあるように思う。
第一は,どうしても外に答えを探そうとすることだ。答えは自分たちの中にある。というより,徹頭徹尾自分たちの中で考えなくては,発想とは言わない。自分たちのリソースを使い尽くす。たとえば,「正方形がいくつあるか」という設問がある。
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/prod021.htm
この出典では,正解が巻末にあった。こういうのをパズルという。たとえば,
ためらわず,こういう人がいる。
「ラインの交差したところは正方形ではないか」
それに,どう反応されるだろうか。「そんなばかな」「それは禁じ手だ」「そんなことがOKなら……」
こういう自由に考える人が必ずいる。こういう意表をつく発想は,大概はそれを押しつぶすか,面白いジョークとして聞き流されて,まともに相手にされない。こういう発想があるから,自己完結してはいけないのだ。キャッチボールする意味がある。
第二は,アイデアに正しい間違いはないということだ。こういう質問がある。「部下に,何かいいアイデアはないか,あったらどんどん出してくれ,というのだが,なかなか出てこない,出てきてもありきたりでつまらないものばかりだ,部下の発想力をアップするいい方法はないか」と。
これに,二つの疑問が浮かぶ。まず,アイデアは完成型でなくてはいけないという誤解がある。アイデアづくりとは,端緒の思いつきをキャッチボールで深めていくものであり,完成品が出てくるものではない。一緒にまとめ上げていく共同作業のおもしろさを管理職は気づいていない。いまひとつは「ありきたり」と思っているのはトップだけかもしれない,ということだ。自己完結している限り,それに気づけない。
むしろ,こう考えるべきだ。くだらないアイデアはない。くだらないといった瞬間,そのアイデアは生かされることなく,消えていく。例えば,くだらないと思ったら,こう聞いてみる。「わかった,もしこのアイデアが実現できたら,何が起こる,あるいはどういうことができるようになる」と。部下は何か言うだろう。そしたら,「その目的を実現するのに,ほかにどんなアイデアが考えるだろう」と,一緒に洗い出していく。どんなアイデアも,完結品ではない。一緒に完成していくプロセスが大事なのではないか。
第三は,まずできるかどうかを考えない。どうなったらベストかを考える。われわれは大体できることを少しずつ積み上げていく。その意味で失敗はないが,突出もできない。ダイソンがあの掃除機を提案した時,どの家電メーカーも見向きもしなかった。我々は扇風機を五枚羽,十枚羽と積み上げて,そよ風を作り出す。しかしダイソンは羽根のない扇風機をつくる。失敗しないために,「できること」を積み上げていっても,「こうなったらいい」「こういうのがあればいい」という発想から,どこまで実現可能か,どうやったら実現できるかを考えるタイプには永遠に追いつけない。
そもそも発想とは,どうしたら実現できるかを考えることであって,できることを積み上げることではない。むしろ,できない(と思われている)ことを,できる (と思える) ようにすることだと信じている。
だから,個人的には,多機能は発想とは言わない,と思っている。組み合わせることは多機能で代替してはならない。なぜなら機能をつけたして働かせるのではなく,機能を加えないで同等の働きをさせるにはどうしたらいいかを考えることが,発想だと思うからである。
川喜田二郎氏の「本来ばらばらで異質なものを意味あるようにむすびつけ,秩序づける」という創造性の定義をかみしめなくてはならない。つなぎ合わせただけではだめなのだ(それは多機能)。つなぎ合わせた時,まったく別の意味が見える。その時,機能は足したのではなく,一つになってしまう,あるいはなくなってしまう,そういうことを考えるのが,発想の面白さなのではないか。
参考文献;
エドガー・ハーディ『「2+2」を5にする発想』(上出洋介訳 講談社)
今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
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