2013年03月24日

楽しむ


子曰く,これを知る者はこれを好む者に如かず,これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。

知る者よりも,好む者よりも,楽しむ者というのは,実感としてよくわかる。どんな博学も,所詮外的知識で,それを自分のものとしているとは言えない。好学もまた,外にあるものを取り入れているだけだ。楽しむ者だけが,それを自分のものとして,一体になって,体現している。

どうも僕はこの楽しむが苦手だ。まず,(人でもものでも本でも)相手と会うと,相手との距離をはかる。そして相手の枠組みを知ろうとする。そのとき自分との親疎の価値をはかっている。だから食わず嫌いというのが多い。それが「やりたくない」ことにチャレンジする気になった原因の一つかもしれない。しかし,好むに変わると,いっぺんに距離を消して相手の土俵に乗ってしまう。一も二もなく,相手を全面是認に変わる。別におのれを消しているわけではないので,相手の土俵に乗っている妄想に近いから,自分の土俵を拡大しているのだともいえる。いわば,いずれも独り相撲。この極端な距離感覚が,ずっと自分を悩ませてきた。楽しむは,彼我の対立や対峙を消さなくてはできない。それは,まず自分をその場に溶け込ませなくてはできない。主役が場になる。その時になる。そういう開放性が苦手であった。

しかし今,その時,その場で自分をどれだけ開放し,解放できるかを,自分でチャレンジさせようとしている。楽しむ,というところまでは行けていないかもしれない。しかしおのれにこだわり,おのれの立ち位置にこだわり,相手との距離にこだわり,おのれの見かけや外見への執着を手放そうとしている。

ところでCTI系では,傾聴には二側面があるとして,

①注意を払う 感覚を通して受け取ったものへの気づき。コーチが受け取っているすべての情報に対して注意を傾ける。息遣い,話し方のペース,声の調子等々。
②インパクトに気づく 傾聴したことへの対処。コーチの対処がクライアントに影響を与える。

それを,次の3レベルに分けている。

①レベル1・内的傾聴 意識の矛先が自分に向いている。自分の考えや意見・判断,感情,身体感覚に意識が向いている。
②レベル2・集中的傾聴 意識はクライアントに向いており,全ての注意がクライアントに注がれている。相手の発するすべての言葉に一心に耳を傾け,声の調子,ペース,ニュアンスを逃さず聴こうとしている。
③レベル3・全方位的傾聴 一つのことに焦点を当てるのではなく,周囲に広く意識を向けている状態。自分と周囲のエネルギーに気づく。そのエネルギーの変化に敏感になる。

しかし,このくそまじめなコーチングは,卒業すべきだと感じている。コーチングでコーチがリラックスして,その場そのものを楽しんでいたら,その感覚は全開になり,全てに広く関心が向くはずだ。

遊びに夢中になっている時,遊びの世界の外には関心が向かないけれども,遊びの世界の中で起きていることには,敏感で,感覚が研ぎ澄まされている。それと同じだ。その時,場そのものと一体になっている。

これを知る者はこれを好む者に如かず,これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。

をあえてこれに当てはめてみる,とどうなるか。

知るというのは,レベル1,好むというのはレベル2,楽しむというのは,レベル3,と置き換えてみることができる。

知るとは,自分の知的好奇心に基づく対象化だ。内部の問題意識,関心から相手を見ている。しかし好むというのは,相手との距離を埋めるため,相手に接近していく。自分を離れて,相手そのものに寄り添う。好きになるとはそういうことだ。だから,焦点は相手にあっている。楽しむというのは,自我や我執が消える。あるいは自分をかなぐり捨てる。そこでは,彼我の差が消え,彼我一体のその場そのものになって,全体に浮遊する。あるいは場そのもの,空気そのものになって,相手と共に,一緒になってわくわくする。あるいは風のように自在な眼になっている。

その時,コーチはいない。コーチングそのものになっているというと言いすぎだが,リアル世界の何某というコーチではない。そこに我執も,経験も,知識も,価値も,置き去りにされている。在るのは,クライアントの様々な自己を,開示し,展開し,たとえば絵巻物か,無限に折りたたまれた手紙のように,次々と延ばされ,広げられていく世界に,一緒になってついていく。

それは,過去であるより,未来であることの方が楽しいだろう。まだ来ていないが,きっと来るだろう未来,いやこうすれば来るだろうとはかっている未来を,白紙の巻物の中に,描き出していく。

楽しむには,こだわりや拘泥や足枷や執着や是非や可否を一切合財手放さなくてはならない。楽しさは自分の開放なのだし,解放なのだから。そして結果の予想もないし,どこへ行くかもわからない。目標や,できるできないや,アクションプランも捨てなくてはならない。大体,アクションプランの立つようなことが,コーチングの対象になること自体,コーチングへの侮辱である。そんなものは,目標達成計画書を書くように,自分で描けることだ。


今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm




#アクションプラン
#目標達成計画書
#傾聴
#レベル1
#レベル2
#レベル3
#こだわり
#CTI
#アクションプラン
#目標達成計画書
【関連する記事】
posted by Toshi at 05:47| Comment(0) | コーチング | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください