親友について
人によっては,親友が何十人といると誇らしげに言う。しかし統計的に見て,記憶ではアメリカのデータだったが,親友というのは,せいぜい一人か二人,ゼロも結構いた。ネットで見ると,親友の数ランキングは,
1位 2人 25%
2位 0人 23%
3位 3人 19%
4位 1人 18%
5位 4人 6%
とあった。まあ常識の線だろう。「親友」を「親しい友」ととるか「信頼できる友」ととるかによって差はあるが,「親友」と「友人」と「知人」の境界線はそう明確ではない。
その境界は別として,「親友」という言葉から,瞬間に浮かぶのは,ベン図の円の重なり具合で表現し,たとえば,二つの円が重なっていたら,信頼度や親密度が高いというイメージになる。そこで親疎をしめしている,と。
しかしそうだろうか。どうもそれは,両者の関係性を示しているのではなく,両者の似たもの度を示していたり,関心や趣味の重なり具合を示している程度にしか思えない。
親友というのをどう定義するのは難しいが,いくつかの例を挙げると,
●親友とは、とても仲がいい友人を差す。心から理解し合える友人のことを心友ということもある。
●互いに心を許し合っている友。特に親しい友
●一生、失いたくない人。
●心の支えになってくれる人。居てくれるだけでホッとする人。
●いつでも気兼ねなく相談することができ、自分のことを一生懸命に考えてくれる友達のこと。
等々となる。どうも,気兼ねなく何でも言いあえる,いいことも悪いことも率直に言える,といった関係性の親密度,関係の深さを指している感じがする。
しかしそれでは,友人,知人,悪友,幼友達,学友との境界線はあいまいなのではないか。むしろ,親友とは,自分の側が相手にどういう関係を求めているかの反映で,その自分のニーズや希求に合わせて,そういう友が寄ってくる,という印象を受ける。悪い言い方を見すると,フェロモンに引き寄せられたという感じだから,多く似たもの同士という感じがする。
とすると,親友をどう定義するかが,その人の親友像を示すというふうに言ってもいい。
ハリー・スタック・サリヴァンは,
人間にとり、8歳半から始まる前思春期が非常に重要であるとし、そこでの友情から物事や世界の意味を確認できる、貴重な時期だとした。そこでの関係は、いわゆるchumshipと呼ばれる。もし、それまでの母子関係(乳幼児期~前思春期まで)に何かしらの問題があった場合でも、ここでの重要な他者との出会いが、その人の人生を支える可能性がある,
としている。そして,児童期(4,5~14,15歳)における親友(chum)というものは「癒し」の効果があると説いている,そうだ。
「癒し」ということをサリヴァンは言っている。それはサリヴァンの希求,思い入れと受け止めたほうが無難だろう。フロイト派流に,転移とは言わないが。正直,僕は,過去の母子関係を持ってくる考え方には辟易している。そう見れば見るほど,そういう縛りにおのれ自身を縛っていくだけだ。おそらく,サリヴァンそのものが縛られていたのだ,と疑いたくなる。
過去がいまを創っているのではなく,いまが過去を創っている。人の記憶は捏造する。エリザベス・F・ロフタフが,セラピストによって促された子供の親による性的虐待記憶の多くが,子供の想像によってつくられた偽記憶であることを暴いたように。記憶は平気で嘘をつく。
僕は,親友像について,全く別に考えている(もちろんそこに僕の親友像が反映している)。まずは,ラベルとしての親友かどうかはどうでもいい。ただの親しい友でも,通りすがりでも,フェイスブックでつながっただけの知り合いでも,両者が,ひとつの土俵の上に一緒に立てるかどうかが鍵だ。
土俵というか,ベン図ふうにいうと,二つの円が離れていようと,くっついていようと,その二つの円の外に,二つの円を囲む土俵というか,舞台をしつらえて,その土俵の上で,一緒に何かが創れるかどうか,一緒に何かクリエイティブな何かをし始めようとできるかどうかにかかっている。
そこで一緒に何かをはじめ,何かができれば,そこで二人は同士(fellow)から同志(comrade)に変わる。その段階で,もう親友とか友人というラベルなんか不要なのだ。
たぶんそのプロセスで,次の新しい円に乗り換えるかもしれないし,円が広がるかもしれない。
ただだべっているだけの関係性よりは,何かを創り出していく仲間であることの方が,いまは大事だと思っている。その意味で,何かを一緒につくった仲間は,その関係の中で創り出した紐帯は,たぶん,いまは全くその土俵を共有していなくても,あるいはいまや生死を別っても,いつまでも続く。そんな関係が,いまも断続的に,いくつか続いている。
そういう関係を人生の中にいっぱい残していきたいと思っている。それを何と呼ぶにしても。
今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
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