先日,能楽喜多流アトリエ公演「繪処能」の「第1回能楽ワークショップ~きらびやかなる能衣装の世界」に参加する機会があった。
http://www.facebook.com/home.php#!/events/137693893067092/
紹介のページには,こうあった。
難解なイメージのある能楽ですが,見方さえわかれば楽しめるポイントがたくさんあります。この講座・公演では,「能の世界」への入り口に導くお手伝いをします。ご案内役は,喜多流能楽師 大島衣恵・大島輝久が務めます。毎回テーマを決めて,そのテーマにまつわる解説とコラム的な裏話も交えながら,深淵なる能楽の世界へあなたをいざないます。
内容は,(といっても道に迷い,滑り込んだので,途中からだったが)
・能面,能装束の話
・「敦盛」を謡ってみよう
・「敦盛」の解説
・「敦盛」装束着付け実演
・仕舞「敦盛」(装束付き)
と,基本的なことを,具体的に装束を身に着けながら,説明していただいたが,一番興味深かったのは,能面の話で,
能面が変化したように見えたとすると,それは能面が動いたのではなく,観ている人の心が動いた,
と,おっしゃった,解説の大島輝久さん (喜多流能楽師)の言葉だ。
それともう一つ,能面は,乾燥に弱いというのは,前から聞いてはいたが,古くてちょっとどうかというほど表面が傷んでいても,実際に面を着用して,舞台で,演者の息が吹きかかることで,蘇ることがある,という。まさに,面は生きている。実際,ネットでは,こうあった。
能面は面(おもて)とよばれます。
能面は生きているのです。能楽師は新作面は使いにくいといいますが,能面は演者が長い年月使用し,舞台で泣き,苦しみの果てに初めてその能面の持っている精彩を放ち完成されるからでしょう。長年の使用 に耐え,育まれた面と比較すれば新作面が物足りない感じがするといわれます。これは,能面が製作された後延々と成長しているからにほかなりません。 舞台で演者と共に使用さ れてこそ面は生きてくるのです。
ついでに,能面の表情について,
良く「能面は無表情」といい博識がっている人がいますが決して無表情ではありません。能面ほど表情豊かなものは他に類をみないのです。技楽面の影響を受けたと思われる面には,般若,鬼面のように,瞬間的な表情をした面もありますが,小面,増女,若女,等女面は一瞬の喜怒哀楽の特定表情をしてないからで,一見無表情と思われるものもありますが,特定の表情をしていないからこそ,様々な表情に感じとれるのです。故に長時間の舞台で,長い時間座が保てるのです。
たしかに,面が,ちょっとうつむいたり,目線を上げただけで,なんとなく表情にそよぐような微妙な変化を感じる。しかし,それは,確かに,観ている側の心の,あるいは,観ているものがそこに表情を読み取っているのだ,という方が正しい。人は,見たいものを見る。
ところで,例題として,敦盛の一節を読んだり,一部を観たりしたのだが,敦盛というと,信長を思い出し,
此時,信長敦盛の舞を遊ばし候。人間五十年 下天の内をくらぶれば,夢幻のごとくなり。一度生を得て滅せぬ者のあるべきか,と候て,螺ふけ,具足よこせと仰せられ,御物具召され,たちながら御食をまいり,御甲めし候ひて御出陣なさる。
と,桶狭間の戦い前夜,「敦盛」のこの一節を謡い舞い,陣貝を吹かせた上で具足を着け,立ったまま湯漬を食したあと甲冑を着けて出陣したという『信長公記』を思い出す。
本来(?)は,
思へばこの世は常の住み家にあらず,草葉に置く白露,水に宿る月よりなほあやし,金谷に花を詠じ,榮花は先立つて無常の風に誘はるる,南楼の月を弄ぶ輩も 月に先立つて有為の雲にかくれり,人間五十年,化天のうちを比ぶれば,夢幻の如くなり 一度生を享け,滅せぬもののあるべきか,これを菩提の種と思ひ定めざらんは,口惜しかりき次第ぞ,
なのだという。「化天」は,六欲天の第五位の世化楽天で,一昼夜は人間界の800年にあたり,化天住人の定命は8,000歳とされる。「下天」は,六欲天の最下位の世で,一昼夜は人間界の50年に当たり,住人の定命は500歳とされる。信長「人間」を「人の世」の意は,使っていた。「人間五十年,下天の内をくらぶれば,夢幻の如くなり」の正しい意味は,「人の世の50年の歳月は,下天の一日にしかあたらない」というのだそうだ。
そのくらいはかないのたとえと考えれば,「一炊の夢」「邯鄲夢の枕」(これは能にもある)と同様,当たらずと言えど遠からず,か。
思えば,平家は一蓮托生,まるごと潔く一門が滅亡したが,源氏も,頼朝から三代,実朝で,同族同士で殺し合い,直系は滅んだ。どちらが士らしいかというと,平家にそれを感じる。判官(九郎判官のことではなく)びいきのせいかもしれない。
敦盛の伯父,知盛の,『平家物語』にある(と記憶しているが),
見るべき程の事をば見つ。今はただ自害せん。
と言い残して自死した姿に,士らしい面影を見る。信長は,『信長公記』によると,光秀が謀反に及んだと知ると,森成利らの進言を取らず,
是非に及ばず。
というや,みずから弓や槍を取って戦ったが,槍傷を受け,防戦を断念,奥に籠り,自刃した。
敦盛というと,ついつい信長と知盛を思い出してしまう。
今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
#能
#喜多流
#能楽師
#能面
#面
#敦盛
#織田信長
#信長公記
#邯鄲
#平知盛
#平家物語
#森成利
#信長公記
【関連する記事】
rwnwcefqo http://www.g53f9z7625d65yv6x0j90duvj0mv4db3s.org/
arwnwcefqo
[url=http://www.g53f9z7625d65yv6x0j90duvj0mv4db3s.org/]urwnwcefqo[/url]
adlysyohbny
dlysyohbny http://www.g8z983e81m7i8b7j96s5an31bril0i0js.org/
[url=http://www.g8z983e81m7i8b7j96s5an31bril0i0js.org/]udlysyohbny[/url]
hermes bags suisse http://www.melsvikgaard.dk/hermes-bags-suisse-czech-hermes-8269.html