2013年06月04日
物語を書き換える
先日,第63回ブリーフセラピー研究会の,「田中ひな子先生の解決志向アプローチ2」に参加した。前回に続いて参加させていただき,さらに,自分の記憶を上書き(前のが消えた?)した感じがしている。
前回は,クライアントの自己対話に加えてもらうが,メインだったと記憶しているが,今回は,
新しい人生の物語を手に入れるように,クライアントの自己対話では語られていない,クライアントの望む未来の,新しい物語に書き換えていくように,セラピーの会話を進めていく,
にある。そのために,肯定的なアプローチ,つまりソリューション・トークが有効なのだ,
なぜなら,
クライアントを尊重するとは,クライアントが大事にしているものを大事にすることであり,その本当に望んでいることを探し,それを達成するための協力関係をつくることだから,
というところに視点を置いて,学んだことを整理してみたい。
言い換えれば,話すだけで変化が起きる,そういう変化を導き出す会話をどうすすめていくか,である。
当然従来のように,援助者が正しい知識でクライアントを導くのではない。ソリューション・フォーカスト・アプローチは,セラピストの正しい知識ではなく,クライアントこそが専門家であり,セラピストは,インタヴューする専門家だというところが前提になる。つまり,
クライアントこそは自分自身の人生の専門家である。
だから,
セラピストは,インタヴューの専門家である
無知の姿勢を貫く
何を信ずるかがどのように見るかに影響を与え,どのように見るかが,何が見えるかに影響を与え,何が見えるかが,何をするかに影響を与える。
これは,『DV加害者が変わる』について書いたように,
http://blogs.dion.ne.jp/ppnet/archives/11207722.html
大切なのは,変化を起こすことではなく,会話のための空間を広げることである。治療における変化とは,対話を通して新しい物語を作ることである。それには,ソリューション・トークが有効なのだ。肯定されると,ひとは心にスペースがあく。
まず変化のためには,
ひとは一人一人違う
変化は絶えず起こっている
例外は既に存在している解決である。例外を日常化するのが解決となる
どんなこんなんな状況でも一人の行動に小さな変化がおきればいい
たとえばクライアントが予約を入れた時から,70~80%の変化が起きる。クライアントは,変わりたいのに変われない,わかっているのにできない。
クライアントは面接前に,頭の中を整理する。問題解決に必要だと思う情報を話そうとする。まず,それを丁寧に聞く。これを聴かないと,ソリューション・フォーカスト・アプローチ的質問が効かない。だいたい,クライアントが話し終わると,間がある。そうしたら,たとえば,
どんなふうになればいいと思いますか
↓
過食が減る
↓
減るって,具体的にどういうことですか
↓
夜中の過食がなくなる
↓
最近,夜中に過食が起きなかったことはありませんか?
↓
一回だけありました
↓
なぜそのとき起きなかったのでしよう
↓
なんとなく,疲れていて
↓
たまたまかもしれないが,その小さな例外に焦点をあてることで,そこに大きな意味があることに,クライアントの注意が向く。
ここで,出来ない理由を並べてみても,出来ないことが確認できるだけだ。例外には,意図的な例外と偶然の例外がある。そこで,
なんとなく過食しなかった時,どんなふうにそれが起こったか観察してください,
と課題を出す。昔神田橋條治さんの本で,家庭内暴力の高校生に,バットをもつ腕の,どこに力が入ると,一番壁がへこむのか,じっくり観察してください云々,といったようなことを観察課題に出したのを記憶しているが,偶然かもしれない例外に,関心を向けることで,「できない」ことではなく「できる」ことに焦点があう。「できない」ことを探していれば,「できている」ことは目に入らない。だから,
クライアントにリソースがある,
という前提で見る方が役に立つし,言葉にすることで変化が起きる。(15年過食だった)クライアント曰く,
この前話していて,本当に治りたいのだと分かった,と。
そして,
いい変化があった時,何が良かったか,を明確にし,それを維持していく。
例外探しは,ある意味クライアントがどう対処したのか,コーピングを聴くことだが,それを通して,クライアントの持つリソースが見えてくる。大事なのは,ミラクルクエスチョンでもそうだが,具体化すること。そうすることで,クライアントにイメージがわく。それが変化をもたらす。たとえば,
どうなりたいですか
↓
普通の食事がしたい
この「普通」は人によって違う。パンにコーヒーなのか,ご飯に味噌汁なのか,みそ汁の具は何か…,を具体化していく。ミラクルクエスチョンでも,ビデオテープにとるように,詳細に聞いていく。クライアントにもセラピストにも,イメージが浮かぶように聞いていく。クライアントを理解するために大事であるし,その中に,
いま話したことに少しでも近いことで,どんなことがありましたか?
という例外が,小さな「存在している解決」を見つけやすくなる。逆にいえば,セラピストは,
例外がある,
という前提で聞いていく。24時間問題だらけということはありえない。しかしそれは本当に小さなことかもしれない。その小さなことを掘り起こし,「できている」こととして,「できていない」という「地」から,それを「図」として浮かび上がらせていく。
会話がその人をつくっている。会話が変わると,違う面があらわれる。その人自身の自己対話に加えてもらい,
「私についての取扱説明書」
を書き換えていく。そのためには,
クライアントの言葉をつかう
無知の姿勢を貫く
そうすることで,
会話の中で未来をつくる
その覚悟でセラピーをする。たとえば,
5年後の物語をつくっていくためにいまどういう会話をするのか,
が問われている。そこで,肯定的なアプローチを通して,語られていない物語を浮かび上がらせ,その人の物語を書き換えていく。それを,ソリューション・フォーカスト・アプローチの面談は,一回ずつのシングルセッション,というつもりで,やっていくという。
その覚悟が,いつも問われている。会話ひとつにも無駄はない…!
今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
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