2013年06月18日

正念場


正念場とは,性根の発揮が問われている場らしい。その人の根本的な心の持ち方が問われている,といいうよりはその人が生きているに値するのかどうか,が問われている場面といってもいい。

私の知人は,

http://blogs.dion.ne.jp/ppnet/archives/11124764.html

でも書いたが,すったもんだした挙句転職した。転職に成功した。天職のはずであった。しかし,すでに後悔している,辞めると言いだしている。

それもあるかもしれない。思ったことと現実とのギャップもあるし,その職場が初めの顔とは違い,とんでもない本性をあらわすということもある。

しかし,性根が坐っていない。だから,「正念場だ」と伝えた。

いわば背水の陣と置き換えてもいい。水を背にして,韓信が趙を破ったように,そこを先途と必死になる場所がある。それが出来ず,手取川では,信長軍は謙信に敗れた。カストロは,上陸した地点で,上陸艇を壊して,背水の陣を上陸軍に示した。

まあ,こんな例をいくら挙げても本人にとっての正念場という自覚がなければ,馬の面に小便だ。半身ではだめだ。正対で,事態に向き合わなくては,突破口は自分に見えない。その事態の主役はおのれだという自覚がなければ,どうにもならない。

いわば,ほかならぬここが,自分の性根が問われている場所という覚悟を持たねばどうにもならない。

そういう場は,人生においてそう何度もない。僕は,あったか,と問われて,ある,と答えた。それがすべての原点だと答えた。なぜなら,その時ブロー体験を味わったのだと,後から思い知った。時間を忘れ,沸騰する脳細胞から湧き出てくるものを必死で形にした。人にはピンとキリという,才能の絶対的格差があることも思い知ったが,その自分の閾値を,身をもって知ったことが,自分というものの原点だと思う。いま考えても,あれ以上はできない,自分の最高レベルを達成した。しかし,それでも,世の中レベルでは到底かなわないのだ,という感慨も味わった。

しかしそこに絶望はない,どんなに脚力に自信があっても,ボルトと走ってかなわないと思い知ったところで,絶望するような人は,一度も自分の限界まで,自分を出し切ったことのない,生涯夢見る人でしかない。おのれを知るとは,そういうことだ。

もちろん気持ちよくなんかない。自分の程度を知って,快哉を叫ぶやつはいまい。しかし現実は現実だ。諦めというのとも違う。そういう自分の力量を前提に,精一杯生きるしかない,そういう見きわめといってもいい。

それは,不思議なことだが,その時は気づかない。後から振り返って,あれが自分の正念場だったと気づく。それをスルーしていたとしたら,気づくことはない。

なぜなら,そのとき自分が対処したコーピングが,その後の自分のやり方のパターンになっていることが多いからだ。成功体験というものかもしれない。しかし同時に,それだけではうまくいかないという選択肢も,同時に自分の中で育っている。たぶん,そのとき自分が,持っているキャパ一杯一杯まで伸ばし,拡大しきったことで,無自覚ながら,沢山の,そのとき使わなかった選択肢を,育てていたのだと思う。

人の能力は,知識(知っている)×技能(できる)×やる気(その気になる)×発想(何とかする)だと思っている。何とかするとは,いままで使ったこともない,考えたこともないことを発想し,発意し,着想し,実践しなくてはならないそういう場を経験しなくては,伸びないという意味だが,ひょっとすると,正念場をクリアするたびに,少しずつ自分というものの(自分が限界づけている)限度を,気づいていないが,広げているのかも知れない。

堀田凱樹さんも言っていた。

自分が遺伝的にもらった才能というのは,自分が思っているよりはるかに広い。それを開拓するということが,学習するということです。

だからか,振り返ったとき,いまから見ると,正念場だったという思いと同時に,もうちょっとやれたのではないか,どこかで諦めたのではないか,というかすかな悔いが,微妙な満足感とともに湧き上がってくる。

そして思う。自分の思う以上に,自分のキャパは大きいのではないか。だから,まだ,自分は,自分の持っている容量を目いっぱい使いきってはいないのではないか。器量,技量,度量という…。自分という「量」わ見くびってはいけない。

知人は,「いま,自分が仕事しやすくするために,できることはないのか」という僕の問いに,その場で,かすかながら,突破口を見出した。がんばれ,と口に出さぬが,心の中で叫んだ。

そこでできることをしないものに,そのできることをさせてくれる場が,向こうからやってくることはない。だから,僕は手放しで夢を語るやつをあまり信じない。いまいまおのれのすべきことをやっていない,共に何かをしたくないやつが多すぎる。いまなすべきことの見えないやつに,夢に逃げてもらっては困る。

今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm

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posted by Toshi at 04:14| Comment(1) | 日記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ティンバーランド コーディネート
Posted by ティンバーランド コーディネート at 2013年11月04日 12:17
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