2013年07月02日

孤独


どうも孤独とか孤立がマイナスのイメージで語られるのが,僕には,しっくりこない。

孤独であることを選ぶとは,おのれひとりで立てるということではないのか。
孤独であることを選ぶとは,おのれ自身というものを大事にするからではないのか。
孤独であることを選ぶとは,おのれひとりでしかできないことがあるからではないのか。
孤独であることを選ぶとは,おのれひとりの器量を頼らなければ誰も頼れないからではないのか。
孤独であることを選ぶとは,おのれひとりで世界に立ち向かう必要があるからではないか。
孤独であることを選ぶとは,おのれひとりでしか戦えないことがあるからではないのか。
孤独であることを選ぶとは,おのれひとりで戦う勇気があるからではないのか。
孤独であることを選ぶとは,おのれひとりの技量と力量だけでやり遂げようと思うからではないのか。

何かべたべたとやわにひととつながるのを,僕はよしとしない。ぎりぎりの孤独と孤絶の中に立ったことのない人を僕は信じない。どこかにもたれ合う心を感じる。とことん極限状態のなかで仕事を一緒にしてみるとわかる。一人で立てないものは,共には立てない。

吉本隆明の,

ひとりつきりで耐えられないから
たくさんのひとと手をつなぐというのは嘘だから
ひとりつきりで抗争できないから
たくさんのひとと手をつなぐのは卑怯だから
僕はでていく(「ちいさな群れへの挨拶」)

そして,

ぼくの孤独はほとんど極限に耐えられる(「同」)

という。そういう志なしに,やたらと群れるのを僕は,いさぎよしとしない。

そこに,甘えはないか,
そこに,逃げはないか,
そこに,言い訳はないか,
そこに,回避はないか,
そこに,安心はないか,
そこに,依存はないか。
そこに,心やすさはないか,
そこに,防御はないか等々。

どこかに自分で立つのを逃げている,避けている心がある。その弱さを,人によって助けてもらおうとしている。

「思い群ならず」という,杜甫の言葉がある。李白をほめたたえた詩の中で,

白や詩敵無し,飄然として思い群ならず

とある。これもその一つだ。牧水の,

白鳥は哀しからずや空の青海のあをにもそまずただようふ

も,どちらかというと,僕には矜持に聞こえる。強がりかもしれない。しかし強がりにこそ,おのれがある。強がってみなければ,自分の境界線も,閾値も見えはしない。

石原吉郎の詩に,

私が疲れるのは
私の自由において
私が倒れるのは
私の自由において
いつの日にあっても
私が倒れうることを
自由なその保証として
私よ たじろがず
自由に立ちつづけよ(「私の自由において」)

とある。その自由は,孤独の中にしかない。つながりは目的ではない。一人一人が自立して,おのれの拠って立つものを持たなければ,弱い。サッカーの本田圭佑が,「個」をあえてあそこで言ったことには意味がある。もたれ合っては,チームは成り立たない。

優れたサッカー選手は,グランド全体を俯瞰する視点を持ち,試合の流れの中で,自分がどうポジショニングすることが,自分が有効かを絶えず考えている,と言われる。「個」とは,そういう自分の立ち位置を自分の責任で決めることだ。目前のボールを追っかけているような選手には,たぶん孤独はない。

よくトップは孤独だという。それを本人が言ったら,「あほ」だと僕は思っている。自分の下に何万いても,自分の代役はできないという意味で孤独だが,その孤独は,自立した孤独であり,孤独でないトップは,信ずるに足りない。ここでいう,孤独とは,誉め言葉でなくてはならない。

たった一人で,おのれと,さらには何かと戦うことのできない,そんなやわな精神で,人とともに立てるのか。

これが僕の命題だ。

鳥羽伏見で敗れ,逃げ帰った徳川慶喜に代わり,それまでの慶喜との確執もこだわりもすべて擲って,黙ってすべてを引き受けた勝海舟への,いわれなき諭吉の批判に,

行蔵は我に存す。毀誉は他人の主張。我に与らず我に関せずと存候。

こう返事した。この勝の強烈な矜持が好きだ。ここに「孤独」の理想を見る。

非礼であると承知のまま
地に直立した
一本の幹だ(「非礼」)

だから一切の言い訳を言わない。

おれにむかってしずかなとき
しずかな中間へ
何が立ちあがるのだ
おれにむかってしずかなとき
しずかな出口を
だれがふりむくのだ
おれにむかってしずかなとき
しずかな背後は
だれがふせぐのだ(「しずかな敵」)

静かに,屹立する個でなくてはならない。でなければ,手をつなぐことは逃げだ。

草莽崛起

と松蔭がいったとき,「恐れながら天朝も幕府もわが藩もいらぬ,ただわが六尺の微躯あるのみ」と書いた。その矜持であり,自負がなくてはならない。

村上一郎は言う。

草莽が自らを草莽とみなすのは,…誰に選ばれるのでも命ぜられるのでもなく,ただ自任あるのみ…

と。そこには,孤独などという言葉が挟まる余地すらない。

参考文献;
村上一郎『草莽論』(大和書房)

今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm




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posted by Toshi at 03:50| Comment(2) | 日記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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