2013年07月10日
音楽と映像と言葉のシンクロ
ガイアシンフォニー第7番と龍村監督の講演会に行ってきました。
https://www.facebook.com/home.php#!/events/147543912093981/
主催者が,
『地球(ガイア)の声がきこえますか?』
地球(ガイア)の未来を,考えよう。
「母なる星地球(ガイア)は,それ自体が一つの大きな生命体であり, 我々人類は,その大きな生命体の一部分として,他のすべての生命体と 共に,今,ここに生かされている」
映画「地球交響曲(ガイアシンフォニー)」シリーズの根底に流れる この考えは,これからの地球の,そして私たち人類の未来を考えるのに, とても大切なメッセージを投げかけていると思います。
と,開催理由として述べているように,いわばきわめてメッセージ性の強い映画であり,いってみると,そのメッセージに強いシンパシーを感じている人たちに支えられて,主として自主上映会を通して,広められている。
観た人は皆いいという。大体僕は,社会主義リアリズム以来,どんなメッセージも,作品評価の前提に置いてはならないというのが,そこから学んだ教訓なので,メッセージ性そのものは,作品評価の前提にはしない。つまり,作品そのものの出来不出来と,発せられているメッセージへのシンパシーとは別に考える,ということだ。でなければ,その作品は独立性がないことになる。芸術作品はメッセージ(政治的なものであれ,なんであれ)の道具ではない。それを忘れれば,芸術は政治の道具に使われる。
まずメッセージからいうと,シリーズ全体も,メッセージ性は強いが,個々の登場人物も,強いメッセージを発している。またそういう人を集めている。そこには,龍村仁監督の思想が反映されている。
僕が最初に観たのは,第三番で,そこにはメッセージが一杯あった。たとえば,
人生とは,なにかを計画している時に起こってしまう別の出来事のことをいう。結果が最初の思惑通りにならなくても,…最後に意味をもつのは,結果ではなく,過ごしてしまったかけがえのないその時間である。
あるいは,龍村監督が講演でよく口にされるのは,
変えられないものを受け入れる落ち着き
変えられるものを変える勇気
両者を見きわめる知恵
というのもいわばメッセージだが,ここに教訓とかアフォリズムみたいなものを読み取ってはならない。それは処方箋として受け止めることではなく,そう生きた人が,そうつぶやいた,一言だから意味がある。
全部を観ているわけではないが,観た限りで言えば,人が有り,その人の生き方やあり方があるから,その人の発する言葉が生きてくる。
今回も,その意味では,メッセージを拾い上げていくことができる。しかし,龍村監督が,上映後の講演で,
言葉のインパクトが強いかもしれないが,
文字,音,セリフ,映像,音楽,
をどういうタイミングで組み合わせていくか,その編集のことを口にされていた。例えば,映像があり,文字が表出される「間」が結構計算されている,のだという。それはそうだろう。そこがこの作品の監督としての手腕が問われる部分だ。
その意味で,あまり登場人物の吐くセリフやメッセージにとらわれるのではなく,音と沈黙,映像が切り替わる「間」のようなものをもう少し意識してみると,その何秒かの沈黙に見えてくるものがあるのだろう。
つまり,そこに「間」ではなく,「無駄」が感じられれば,映画監督としては編集に失敗したということになる。
全部観てもいないのに,映画としての是非を言うのは,おこがましいが,まず,最初に指を折るのは,第三番だ。軸として星野道夫の影が,いい意味でも悪い意味でも,全編を覆っている。それが,全体としてのメッセージに陰影を与えていた。
次は,第七番だと思う。いわば日本神道(というよりは,正確には八百万の神々だと思うが)を軸として,全体を貫くものが見えやすい。いい意味でも悪い意味でも,焦点が合いやすい。
映画は,シリーズになっていようと,その作品自体で完結しているものだ。そこに描かれていなければないも同じ。その意味で,余分なメッセージはいらない。
ただ個人的には少し気になったことがある。僕の観た限りでは,日本語の歌詞の歌がバックで流されたのは七番が初めてだが,監督の意図は知らず,観客からは,その歌詞に引っ張られて,画面から意識が遠のいた。これは,編集の失敗と見た。おこがましいが,観客は勝手に映画を評価する権利がある。その意味では,歌詞の言葉のインパクトを読み間違えたと思う。最後の対話会で,僕と同じ意見の女性がいた。趣旨も一致していた。
それも監督の意図ではないか,
という意見が出たが,そういうのを贔屓の引き倒しという。あそこで,あの歌詞に情緒的に引っ張られることを意図していたとしたら,龍村監督を貶める以外のなにものでもない。
今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
#滝村仁
#ガイアシンフォニー第七番
#ガイアシンフォニー第三番
#星野道夫
#社会主義リアリズム
この記事へのコメント
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Posted by 傘セリーヌ at 2013年09月03日 22:07
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Posted by トミー リュック at 2013年09月12日 14:23
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