2013年08月15日

落語


先日,創作落語を聞く機会があった。

http://sun-show.net/?p=255

落語については,

http://blogs.dion.ne.jp/ppnet/archives/11225523.html

で書いたことがあるし,語りとの比較について,

http://blogs.dion.ne.jp/ppnet/archives/11231631.html

でもふれたが,今日はただ感想を書いてみたい。

さん生師匠のまくらでも,一人芝居との違いが出たが,こういう語りは,世界でも,ずいぶん珍しいものらしい。

その対比で言えば,一人芝居は,あくまでしつらえられた場とときに,しつらえられた人がそこにいるという設定に変わりはない。あくまで一人しか登場しなくても,舞台の立つ役者が,役を演じている。だから,それを観る我々とは,距離があるが,役者がしくじれば,すぐにわかる。まして,地を出せば,芝居の世界そのものが崩れかねない。そこは創られた世界を見せていることに変わりはない。

しかし落語は,高座にいる噺家一人がそこにいて,柳家何某,林何某,三遊亭何某,三笑亭何某としてそこにいる。そこにいるのは,本名の,実名の何某ではないが,仮にそこに地の実名の何某の生活臭がしたところで別段苦にはならない。

その意味では,口先一つで語りだされる噺は,どういうわけか,共有される。そこで聞いている人は,目の前の噺家ではなく,その語り出す噺の世界に耳から入りながら,どっぷりつかっている。そこで,地の癖だか合の手が入ったところで,一向邪魔にならない。なぜなら,描き出しているのは,噺家の高座にではなく,それぞれの頭の中のイメージに過ぎないからだ。

たまたま古典と創作落語だったが,いずれも同じだ。これが現代の自分の体験でも,たとえば未だに覚えているのは,小三治師匠が,自分のアメリカでの英語学習の実体験を語ったことが,それでも同じことが起きていて,耳から入ったことを,頭の中で描き出している。場合によっては,絵が浮かぶことはあるが,そんなものが浮かばなくても,耳で聞いたことが,舞台でそれを観ているように,体験されている。不思議なことに小三治師匠は忘れていても,噺は断片的でも,物語を読んだ後のように記憶にとどまっている。

高座で,噺家が顔の向きを変えて話し手の交代を表現したり,扇子を使って何かに見立てたり,という動作しぐさ振る舞い表情が,それを促しているのか,というと,それがなくもないが,かつては,寄席などへ行けない地方都市に住んでいたから,そんな場合,ラジオで聞いていた。

かつてラジオで聞いていたとき,子どもだからといつて,イメージが浮かばなかったのかというと,そんなことはない。ラジオから語りだされる噺を,夢中になって聞いていた時,それなりに,子どもだからわからないところや誤解しているところはあったにしろ,イメージを浮かべていた。というか,それが目の前で起こっているように,噺の世界を共有していた。

ラジオがかつてはそうだったかもしれないが,落語も,聞く側が,聞くぞという身構えで耳を傾ける。そこが大きいのかもしれない。出囃子というのは,緞帳が上がる,幕が引かれるのと同じく,一つの世界,疑似的な世界の扉を開ける合図と言ってもいいのかもしれない。

あくまで素人だが,いくらこっちが効く姿勢があっても,耳には準備運動がいる。噺家のテンポと間合い,しぐさに馴れる必要がある。まくらには,そんな意味合いがあるのかもしれない。こんなことが,ネットに書いてあった。

(まくらは)落語にとって前フリなのです。また,マクラは「話す」のではなく,「振る」といいます。なぜなら,まずはこのマクラでお客さんを「振り向かせる」ということでしょう。

と。だから,

このマクラでは,演じる落語の演目に関連した話,

であったり,
ほとんど使われなくなった,人,物,様子などの言葉の解説,

だったりするようだ。まあ,本題へのソフトランディングの役割がある。ということは,耳を傾けてもらうための助走ということだ。

登場人物毎に,極端に声色を変えるわけでもなく,せいぜい言葉づかい程度で語り分けていく。だからいわゆる「語り」とは違う。にもかかわらず,噺に入り込ませる仕掛けが,特に大袈裟に舞台装置としてあるのでもない。噺家一人の語り口で,世界を開いていく。ここは素人判断だが,いわゆる「語りもの」,琵琶法師の平曲にあわせて語りと似ているのかもしれない。

しかし翻ると,それだけ耳を傾けるだけで,相手の語る世界がよく見えてくるのだとしたら,普通の人の話も,こちらの聞く姿勢次第というところがあるのかもしれない。



今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm





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posted by Toshi at 05:58| Comment(2) | 落語 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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