リーダーシップ再び


リーダーシップについては,何度か触れる機会があった。

http://blogs.dion.ne.jp/ppnet/archives/11246431.html

http://blogs.dion.ne.jp/ppnet/archives/11196288.html

http://blogs.dion.ne.jp/ppnet/archives/11046523.html

http://blogs.dion.ne.jp/ppnet/archives/10964345.html

再度書きたいと思ったのには,理由がある。後で述べるが,

リーダーシップは文脈依存,

だということに気づいたせいだ。

リーダーシップについて,あるところにこういう文章を書く機会があった。

リーダーシップは,人への影響力を意味するが,もっと現場に限定した言い方をすると,何かを完遂するために,必要な人を巻き込んでいくこととなる。

更に突っ込むなら,自分(ひとり)では(裁量を超えていて)解決できないこと,あるいは解決してはいけないことを解決するために,解決できる(権限のある,スキルのある)人を動かして,一緒に,その解決をはかっていこうとすること,と言える。リーダーシップの真価が問われるのは,自分のポジションより上や横を動かそうとするときだ。そのとき必要なのは,

・「何のために」「何を目指して」という,意味づけの旗が明示されていること
・必要な人々に,その意味をきちんと伝えていく力があること
・めざすことを一緒にやっていくための土俵(協働関係)をつくること
・あえて加えれば,協力してくれた人,サポートしてくれた人への感謝を怠らぬこと

である。

とすると,そこで解決しようとする問題は,自分や自分のチームや部署内で自己完結しては解決できない問題でなくてはならない。リーダーシップで問われるのは,何を目指しているかであり,そこで,何を問題にしているかが,そのままリーダーシップの見ている視野の限界があらわになる可能性がある。

よく思うのだが,リーダーシップはその人の仕事の仕方の延長線上にある。一人で抱え込んで仕事をしてきた人は,チームのリーダーになっても,チーム内で自己完結しようとするだろう。それは基本的に仕事の出来ない人,あるいは自分の器量以上の仕事の出来ない人だ。

因みに,何度も繰り返しているので,恐縮だが,リーダーという役割とリーダーシップは別だ。それについては,

http://blogs.dion.ne.jp/ppnet/archives/11046523.html

で触れた。要は,リーダーの役割は,チームとしてのパフォーマンスを上げることだ。マネジメントとは,マネージすること,つまり持てるリソースで,「何とかする」ことだ。しかし,リーダーシップはそれとは別だ。

で,思うのだが,その人が,ヒラであろうと,チームリーダーであろうと,役員であろうと,トップであろうと,決して自己完結せず,その問題,その目的を実現するために,必要な人に働きかけ,その人のサポートを得て,それを実現していくことは必要である。

そのときリーダーシップがいる。

リーダーシップは,一般論で語ろうとすると,どうしても,

影響力

とか,

指導力

とか,果ては,

人間力

となるが,その人が置かれているシチュエーション,つまり文脈の中で,

自分が何をするためにそこにいるのか,

そのために自分がすべきことは何か,

に,その人のリーダーシップは依存している,と思う。その文脈の中で,

本当に解決すべきことを,解決できる人を巻き込んで,解決しようとしたかどうか,

がリーダーシップの根幹なのだ。その是非は,その人の文脈の中でしかわからない。

だからこそ,そこで,自分が,

何をするためにそこにいるのか,

いま自分がしなくてはならないことは何か,

そのために誰を動かせばいいか,

を本人がわかっているかどうか,

その上で,

いま,自分がすべきことを実現するために,その人に,どう働きかければいいのか,

をはかっていけるかどうかが,問われている。それができるかどうかは,実は一般論で語っている限り見えてこない。

僕はそれを,

ポジショニング

と呼ぶ。サッカーで,試合の最中,俯瞰したグラウンドが見え,その中で,ゴールするために,自分はどの位置にいればいいのか,そのために,誰にどう働きかければいいのかが,見えている,そういう選手が優秀な選手という。リーダーシップの神髄はここにある。だから,

文脈依存,

と呼んだ。それは,

「いま」

「ここ」

で,

「そのとき」

において,見逃さず自らが,なすべきと思う何かをするか,だ。

勝海舟が,「機があるのだもの」と言った「機」である。その意味で,リーダーシップには賞味期限がある。文脈依存というのはその意味でもある。

そのとき,その場での状況の読みとイマジネーションが問われている,といってもいい。


今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm



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