不器用


まあ,不器用といっていい。人との付き合いも,仕事の仕方も,そう器用にサクサクと片づけていけない。尾を引く。

器用の,



というのは,ひとつは,

はたらき(才能)

であり,いまひとつは,

度量

であり,器量の器,大きさといっていい。いまひとつは,

うつわにする,

つまり,才能に従って使用する,

ひとつのことに役立つ,

という意味になる。孔子の言う,

君子は,器ならず,

というときの器である。人を見るときの測り方に,

器量

度量

技量

力量

裁量

とあるが,器用というのは,

力量といった,物の用に役に立つか立たないかという側面と,

もっと細かな,手先がよくきき,仕事をうまくこなすという技量の側面(悪くすると,抜け目がない,要領がいいというニュアンスになることもある)と,

その他に,器量がいいの容貌とか人品骨柄の面,意外にも,

潔い

という意味がある。そこには,度量や器量や裁量といった,そのひとの大きさに関わる部分がある。

僕が不器用(無器用とも書く)というとき,

ぶっきっちょ,

とか

要領のわるさ,

を指す。あんまり,小器用に立ち回れず,立ち居振る舞いから,真意が漏れてしまうというか,面従腹背といったことができないというか,そんなことを指す。

そのために,損をしたかというと,いちいち思い当ることはない。

ただ,真っ正直に立ち向かうために,

いつの間にか,労働組合をつくる先頭に立たせられていたり,
いつの間にか,最前列でトップと矢面で対決させられていたり,
いつの間にか,その開発をひとりで担わされることになったり,
いつの間にか,あらゆる仕事を背負い込まされていたり,
いつの間にか誰かを庇って逆に自分がその矛先を受けることになったり,

等々,まあ気づくと損な役回りをしていることが多い。だから,日頃の言動から,何かとトップ批判と,相手に受け取られ,真意が誤解されることもある。しかし,そういう無骨で,骨太な役回りに立たせられることが嫌ではない。内心は,ぶるぶる震えるような緊張感と怯えを抱えながら,こぶしを振り上げざるを得ないことが何度あったか。

そう,それを無器用,と呼ぶなら,器用な立ち回りの出来ない質なのだと言った方がいいのかもしれない。

だから,

是は是,

非は非,

と公然と口にする。その意味で,常に煙たい存在だったのかもしれない。言いたいことを口に出させず,腹ふくるる状態には堪え得ない。腹の中にしまっておけない質なのかもしれない。

とうとうトップと公然と対立せざるを得なくなったのも,まあ自業自得。器用な世渡りはできない。


今日のアイデア;
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