2013年12月04日

苦手



一般には,苦手とは,

1.勝ち目のない相手,嫌な相手,気象などが合わないで,互いに忌み嫌う相手,
2.得意でないこと。不得手,

という意味だが,もうひとつ,

3.不思議な力をもつ手。その手で押さえると,腹の痛みや癪がおさまり治る,また蛇は動けなくなって捕らえられるという,

とあり,

爪がにがく,手に毒がある手

だという。広辞苑には,『好色一代女』から,

私の苦手薬なりと,夜明け方までさすりける,

というのが引用されている。

人との関係に限定していうなら,3は特殊としても,

反りがあわない,

というのに似ている。つまり,

刀の鞘と刀身の反りが合わない,

というのだ。それは,僕流にいうと,土俵がまったく交差しない状態といっていい。大概の大人なら,何とか話も合わせられる,多少の話題の交換程度はできるはずなのに,どうも話がちぐはぐで,かみ合わない,…どころか,話しているうちに,

苛立ち,

というか,

軋み,

というか,なんとなく心がざわつき,落ち着かない。そもそもお互いのフィールドが全く違い,来歴だけでなく,生活感,感性,知性がかみ合わない。

肌が合わない,

というか,

肌合いが違う,

というか,肌感覚といったらいいか,NLP流にいうとキネステティックが違うという感じなのである。

それは好悪の感覚とはちょっと違う。嫌いの感覚に近いが,好悪は,価値観に近いが,それとも違う。磁石のNとSのような,噛み合うもなにも,そもそもすれ違う,というか,

両者の次元,

が違うという感覚だ。その場合,自分の土俵に留まって,コミュニケーションしようとしても,理解はできても,肌が拒絶反応を示す。

それなら,いっそ自分の土俵を降りて,相手の土俵の上に立つ。自分の仮説は役に立たないし,有害である,として,むしろ,

相手の枠組みで,

相手の目線で,

相手の視界に見えるものを見ようとする,という手もある。ロジャーズの言う共感性である。

しかし,共感性は意識的な試みなのだが,しかもなお,最後,最初の意識的に,という意識は,捨てなくてはならない。

そこまでする必要のある相手は,限られる。だから,苦手は消えない。


今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm




#苦手
#土俵
#ロジャーズ
posted by Toshi at 05:56| Comment(0) | つきあい方 | 更新情報をチェックする
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