2014年02月02日

デモ


デモは,テロだという妄言を吐いた政治家がいたが,タイの政治家の爪の垢でも煎じて飲んだらよい。吉宗は目安箱を設置した。封建時代の将軍すら,民意を探ろうとしていたのだ。

国民は,奴隷か羊のように,従順に右向け右というのが御しやすいに違いない。そう考えている政治家は,多様性を束ねる政治力のなさを白状しているようなものだ。政治は,自分の思う通り国を動かすことではない。国民の負託を受け,あくまで民意を実践するものでなくはならない。しかし,多く,戦後自民党政権は,民意を重んずるより,私益を重んじて国を運営してきたとしか思えない。現在の体たらくのすべては,ほとんど戦後一貫して国のかじ取りをしてきた自民党の責任以外のなにものでもない。にもかかわらずわずか三年弱の民主党に責任をおっかぶせて,あたかもみずからは,無罪のごとく振舞う。この厚顔無恥を許しているのも民意なら,この国が,後戻りの効かないティッピングポイントを通過しても,それを看過するのだろう。

後になって,一億総懺悔だけは御免蒙る。

さて,デモの話だった。デモは,署名活動と並んで,国民が自らの意志を主張できる合法的手段だ。

しかし,日本の場合警備が非常に厳しく,デモ隊より警備の警察官の方が多くなることもしばしば。しかも警察官がデモ隊をぐるりと包囲する形で監視している。これは,警察がデモ活動を周囲の見物人や通行人などと切り離し,飛び入り参加者を阻止するためで,このために歩行者などにデモに気を取られて立ち止まらないよう命じられることも多い。

日本でのデモ活動は事前計画を超えられず,他国にしばしばみられるように,デモが自然発生的に大規模化することは困難。しかも,道路交通法又は都県または市が定める公安条例の縛りがきつく,まるで,

おなさけで(いやいや)デモをさせていただいている,

という具合である。だから,冒頭の暴言が出る。

かつて,それを突破するために,暴力的に警官隊を突破することがあった。いまや伝説にしか過ぎない。かつてまだ若者は,未来に夢を持っていた。

創りたい社会像

があり,

目指す未来像

があったように思う。それが若者のエネルギーであった。いまや国を挙げて,社会を挙げて,家庭を挙げて,飼いならし,牙を抜いて,おとなしい羊と化した若者(というか,いい子に,寄ってたかって仕上げた)に,かつてのエネルギーはない。

なぜなら,国の未来は,若者には一番厳しく,相対的に少数派になっている若者は,選挙でも勝ち目はなく,相対的に多数派の老人,既得権益を握っている大人たちに勝ち目はない。

しかもアメリカと異なり,起業(ここでいう起業は企業ごっこを指さない)は,厳しい環境にあり,寄ってたかって大手に潰される。

目立つのはヘイトスピーチと人種差別のデモだ。ネトウヨと呼ばれる若者を誤指導しているのが誰かは知らない。しかし,怒りの向け方が間違っている。相手は,老人と既得権益者ではないか。かつて白人の低所得者が黒人排斥に血道を上げたのと似た構造だ。だからか,未来像が過去になる。過去がそんなよかったのなら別だが,過去に未来なんかない。それは(疑似)懐古趣味に過ぎない。

僕は,もううん十年前,警官隊に追い散らされたデモ隊にいて,逃げ遅れて逮捕されたことがある。別に誇りはしないが,自らが主張すべきことを主張し,結果警官隊とぶつかり,追い散らされた結果の逮捕を恥じてはいない。が,逃げそびれたおのれの頓馬さは悔しい。

あのころ,まだ若者は生き生きしていた。荒馬のようにエネルギーに満ち満ちていた。

それを駄馬のように,羊のようにしたのは,国と社会だ。若者がエネルギーを持てない国は,未来はない。未来を担うべき若者に,

夢を見ることを放棄させたからだ。

未来を見えなくしたからだ。いまや,夢は,

自分の発見という小宇宙にとどめられてしまった。しかし,そんなものは,国が亡び,社会が荒んだら,糞の役にも立たない。

いまそれは顕在化しつつある。

貧困率は2位,六人に一人,子どもが貧困にあえいでいる。

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/44/index.html

この先にあるのは,奴隷だ。ただわずかに給与を得るために,唯々諾々と従う。しかし,人は奴隷にはなりきれない。自分があり,自由を求める。そこに憤懣がマグマのように蓄積する。

言いたいことを言えず,一人で抱え込んで,製品に毒を入れたり,無差別殺人に走ったりという非生産的な心境に,若者(とは言えないが,失われた20年を経れば,就職に失敗したものは,壮年になる)が,憤懣を一人抱え込むしかない心情を,痛いほどわかる。

今,それを救い上げるものがどこにもない。労働組合は既得権益の巣窟でしかなく,いまや保守そのものだ。各個ばらばらに個別撃破されて,一人一人の労働者がかなうわけはない。

しかし,この下へしわ寄せした分,日本の企業は競争力を確保したかというと,逆だ。いま,どの企業も職場は荒れている,と見ている。一人一人,個別バラバラに,各個撃破され,羊になるか,病気になるか,ドロップアウトするかしか選択肢はない。

だが,そんな日本企業が競争力があるとは思えない。

モノづくりは,すでに多く追い抜かれ,それ以外のソフト力もシステム力も,対抗できるだけに育ってはいない。労資ともどもも,すでにティッピングポイントを超えた,と僕は見ている。悲観的に過ぎる,と言われるかもしれないが,人を大事にしない企業が,社会が,国が,将来何を担保にして成長するのか。

自己責任とは,便利な言葉だが,セーフティネットがあって初めて機能する言葉だ。それなしの自己責任の要求は,国の,社会の,企業の責任放棄だということが,この国の為政者には全く分かっていない。

アメリカは,311の後,9000人のアメリカ人脱出計画を立てた,と聞く。福島県の全県避難すら,拒絶され(それを当時の管首相が要請したが福島県知事が拒否したと言われている),未だに住み続けさせられている。むしろ定住を促進しようとする運動(その主体が誰かは想像に難くない)がまかり通っている。その付けを払うべき何十年後は,それを進めたものは鬼籍に入り,住まわせられた子供たちに負いかぶさる。こんな国に,未来があるのか,と絶望的になる。


今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm



#吉宗
#デモ
#目安箱
#貧困率

posted by Toshi at 06:57| Comment(1) | 政治 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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Posted by タイトリスト MB714 アイアン at 2014年03月21日 12:27
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