2014年04月06日

価値創造


先日,【第9回 アートプロデューサー竹山貴のガチンコ人生!!!月例晒し者にする会】に参加してきた。

https://www.facebook.com/events/284161448403734/?ref_newsfeed_story_type=regular

今回から,アートディレクター竹山から,アートプロデューサー竹山に変更になったせいか,絵画のプロデュースに話が及んだが,僕が関心を持ったのは,画家ないし,絵を売り込むというか,プロデュースするというのはどういうことなのか,ということだ。

瞬間に,思い浮かんだのは,

価値創造,

あるいは,

創造価値,

という言葉である。

これは,V・E・フランクルの言う,創造価値の意味ではない。因みに,フランクルは,

創造価値(人が何かを行ったり創造したりすることで実現される価値)
体験価値(何かを体験したり,誰かを愛することで実現される価値)
態度価値(人が動かしがたい運命に遭遇したとき,それに対してとる態度で実現される価値)

を,人の人生における意味の見つけ方として挙げたが,想像がつくように,アウシュビッツを体験したフランクルは,態度価値を重視した。どんな逆境でも窮地でも,生きている限り,態度価値実現の可能性はある,と言うことだろう。

人は死ぬまで可能性の中にある,

実存主義の一つの考え方に違いない。閑話休題。ここで言うのは,その意味ではない。

創造物の価値はどう決まるのか,

ということである。少なくとも,誰にも知られず,秘匿されているものには価値はない。それを欲しい,観たいという人々につなげて,そこで,買いたい,観たいという意味や価値を感じさせて初めて,絵は,世に出る。いや,世に出るとは,そういうことか。

となると,それを観て,

それが優れている,

と感じたとき,その作品(とともにその作家)をどう他の人に知らしめるか,ということになる。

こんな素晴らしい絵を,

あるいはこんな絵を描く画家を,

広く世間に知らしめたい,となる。

というか,いい作品だ,と思ったとき,

いい作品というだけでは,人には知られない,と言うことだ。言い方が変か,こう言うべきか,

優れた作品は,その優れた作品の力だけで,人に知らせる力がある,

というわけにはいかないということだ。僕の中に,ちょっとした幻想がある。

優れた作品は,必ず,いつか日の目を見る,

そのときとところを得て,と。まあ,あくまで夢想だ。そんなわけはない。そうするための努力をする人間がいる,ということだ。

そのとき,それを世に知らしめる人間は,

その作家か,

その作品か,

に価値を見出していなくてはならない。そこで,

これは売れる,

と思うのも価値かもしれないし,

この作家は面白い,

と見出すのも価値かもしれないし,

これは凄い,

というのも価値かも知れないし,

これは破壊力がある,

というのも価値かもしれない等々。いずれでもいいとは言わないが,その価値に応じて,知らしめ方は違うのかもしれない。多くの人なのか,ある一定の個人なのかは,ともかく,

その価値を価値として認める人

とつながなくてはならない。つまり,

見つけた「価値」を,それを「価値」として認める人に,

手渡しする。あるいはつなげる。そこで,価値がうつつの中に顕在化する。当然,認めた価値の中身は,両者で違うかもしれない。しかし,それは,当初見つけた価値より広がっているか,深く穿っているのか,いずれにしろ,それが価値の伝播ということになるのだろう。

となると,知らしめる方法以前に,やはり,

作家,

作品,

に出会わなくてはならない。恐らく,ここが一番難しく,一筋縄ではいかないのだろう。

ここからは,素人の勝手な妄想だが,結局,他の分野もそうだが,昨今,

凄くスケールが小さく,まとまってしまっている,

という気がしてならない。ひと様のことを言えた義理ではないが,素材がどうとか,技法がどうとか,画材がどうとか,はどうでもよく,

書きたい何かがエネルギーとしてわっと溢れ出すような,

破格の絵に出会いたい。

こちらの常識や世の枠や埒や矩を超えた絵,

をこそ出会いたい。そういうものを見極める目利きができるかどうかは,いささか覚束ないが。

ただ思うのだが,そういうパワーというかあふれ出るエネルギーだけは,育てる埒外なのではないか,という気がする。それは,その描き手の人間としての何か,魂(という言い方も変だが)の求めている何か,なのではないか,という気がする。画家が何を求めるかまでは,育てようがない。

求めているもやもやした巨大な何かをキャンバスにぶつける,

そんな絵と観る側をつなげてほしい。

やはり,これは確かに,ディレクターではなく,プロデューサーの仕事である。


参考文献;
國分康孝編『カウンセリング辞典』(誠信書房)



今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm


posted by Toshi at 05:21| Comment(0) | トークライブ | 更新情報をチェックする
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