2014年05月16日
プロ
先日,【第7回 女流漫画家 渡邊治四から学ぶキャリアアップのために必要なこと】に参加してきた。
https://www.facebook.com/events/267242173453374/
最後ということで,結構参加者からいろんな突っ込みがあったが,その中で,僕が気になったのは,かつてアシスタントをされていた,ある売れっ子漫画家が,何が受けるか,を考えて,
その感覚(あるいは嗅覚?)を具体的に落とし込んでいく,
というようなニュアンスのことを言われた。
そこが結構引っかかった。僕は,どんな仕事でも,
自分に解決できる形に置き換える,
こういうカタチになら出来る,と常にどうすればできるかを考える,
という姿勢が大事だと思っていて,それを,僕流に自責化と呼んでいた。
それを思い出したのだ。駆け出し時代は,やりたいことなどやらせてもらえない,というか本当に自分がやりたいことなど分からない。そんな中で,やりたくないこと,難しいことを,一つ一つクリアしていく中で,会得しなくてはならないことがあるように思う。それは,どんな仕事でも,自分流儀に捌いていく,捌き方を手に入れるということだ。それをすればするほど,自分のリソースが増える。あるいは,
得意のフィールド,
と呼んでもいいが,それが広がる,あるいは深まる。その経験が,まったく新規の仕事をする時の,そのひとのベース,というか,取り組み姿勢,取り組む身構え,になる。人によって違うかもしれないが,
やったこともないテーマや課題を与えられたとき,自分の中でどういうカタチならできるのか,できないところではなく,自分の出来ることに置き換えていく,
それで,おおよその仕事の枠組みが見える。例は違うかもしれないが,その売れっ子漫画家のやっていたのは,
世の中の売れ筋を,自分のフィールドに置き換えてみていた,
のではないか,と思う。
僕は,プロとアマの違いは,ここだと思った。もちろんピンからキリまであるが,プロは,依頼されたテーマを,自分のフィールドへと置き換えて,どうすれば自分がそれを料理できるかを考えるのだと思う。アマは,自分のフィールドからしか,テーマが見られないから,そことの距離に目が行く。そうではなく,それの埋め方を,考える。
違う言い方をすると,
(異領域から自領域までの)着地のためのステップ数を数え上げていく,
あるいは,
自分の感覚を(具体的なレベルまで)現実化するステップ数をたどる,
といってもいい。それでどうしても算段のつかないことはある。その算段のつかなさの度合いが,たぶん,プロになればなるほど小さいのではないか,と思う。というか,一流のプロになればなるほど,依頼する側が,得意領域を弁えていて,あさってのテーマを持ち込まなくなる,ということがあるのかもしれないが。
たしか,イチローが,
キライなことをやれと言われてやれる能力は,後でかならず生きてきます,
というようなニュアンスのことを言っていたと記憶するが,それが踏むべき場数なのである。ただの経験ではなく,いやなことも,できないことも,難しいことも,
むりくり算段して,
どうすればできるか,ということを経験することで,
未知を既知に当てこむノウハウ,
をつかむのだと思う。その積み重ねが,ますます,
どうやれば自分にできるカタチに持ち込めるか,
のキャパシティが膨らむ,あるいはおのれの懐が深くなるのである。違う言い方をすると,
得意技,
に持ち込むことができる,ということである。あるいは,
得意技が増えて,
容易に自分のフィールドへ持ち込む通路というか回路が増える。それはマンネリとは違う。
ああ,これは,誰某の書いたものだ,
と瞬時に読み手にわかる,その人の世界,を持っている,
あるいは,
その世界がいくつもある,
ということだ。ピンはピンなりに,キリはキリなりに,
自分の世界と呼べるもの,
を創り出してしまえる,そこがプロフェッショナルの技量なのだと思う。それは,テクニックではない。その技量の量には,
その人の人としての器量,
が入る。もちろん,ピンはピンなりに,キリはキリなりに。
だからといって,アマを軽侮する気はない。純粋にそれに打ち込むことで,損得抜きのフロー体験を味わったことのないプロは,結局テクニカルにそれをこなすが,本人には,フローというものがいつまでもわからないのかもしれない。そういうことを幸と思うか,不幸と思うかは,人によるが,僕はそのフローを知っていることで,
自分が時を忘れ,場所も忘れで,打ちこんでいる,脳内の大発火を知っている,身体(脳)が覚えている,
ことは,自分が燃え上がる状態を知っている,
ああ,これは発火している,爆発している,と感知できる,
という意味で,その感覚は,
自分の燃え上がり度のバロメーター
として,プロになっても欠かせないものだと思っている。
まあ,あんまりプロになりきれず,,いつまでもフロー体験に固執する,僕のようなセミプロ人間が言うことだから,あてにはならないが。
今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
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