2014年06月19日
どつぼ
どつぼ,
土壺ともかく。これについては,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/388163587.html
で触れたが,どつぼは,
深く落ち込んだ状態や最悪な状況を意味し,そういった状況になるという意味の「どつぼに嵌まる(はまる)」といった形で使われることが多い。どつぼはもともと関西エリアで肥溜め(肥溜めは野にあることから野壷ともいい,それが音的に崩れたものか?)のことをいうが,一般には1970年代末辺りからよく使われるようになる,
と説明される。僕のイメージでは,探し物をしている状態がそれに近い。
あったはず,というかあると思ったところになかったりすると,あとは,どこにあるかわからない。外で忘れたり落とした感覚はなく,間違いなく部屋の中にあるはずなのに,どこを探しても見つからない。だから,一度探した鞄を,再度洗いざらい探す羽目になる。そういうときは,同じところを,何度も何度も探す。要は,
堂々巡りに陥っている,
のである。それが,である。探し物だけではないかもしれないが,諦めて,出かけて帰宅すると,見たはずの所を少しずれて,あっけなく見つかったりする。死角があるらしい,というか,視野狭窄に陥っているので,そこが,
見ていても見えていない,
ということが起きる。陥っている状態から言えば,
どつぼ,
だが,ものを見る側からというと,
視野狭窄,
あるいは,
トンネルビジョン,
といっていい。どん底,切羽詰る,という心理状態に陥っているが,それは,視野狭窄に陥っているせいだと言い換えてもいい。
窮すれば即ち変じ,変ずれば即ち通ず,
とも言う。逆に言えば,変じさせればいい,ということになる。それは,ものの見方が一番手っ取り早い。
前にも書いたが,トンネルビジョンに陥っているとき,視野狭窄の自分には気づけない。自分がトンネルに入り込んでいること自体を気づかない。それに気づけるのは,その自分を別の視点から,見ることができたときだ。そのために一番いい方法は,あえて,距離を取ることだ。それには,
時間的な距離化
と
空間的な距離化
の二つがある。その場から離れるか,時間を置くか,だが,それを意識的にするには,
立ち止まる,
ことだと思う。探し物の例で言うなら,いったん探し続ける動作をやめる(なんか,すぐ見つかりそうなときほど,やめられないが)。そうすると,選択肢が生まれる。
このまま続けるか,
ここでいったん止めるか,
思案し続けるか,
等々。発想とは,
選択肢を生み出せること
というなら,選択肢が出たことで,自分に距離を置ける。自分に距離が置けると,存外,すぐに見つかることとが多い。
捜し続けている自分の嵌ってしまった状態,
をどつぼといっても言い。とすれば,その自分の状態,あるいは自分の心理,自分の感情に距離を置いて,
おいおい,嵌ってるぜ,
という余裕が出れば,距離が持てたのと似ている。
見方を変えることは,見え方を変える方が手っ取り早い。
見え方を変えるとは,見る位置の移動である。
大きくなるとは見る位置を近づけること,小さくなるとは遠ざけること,逆にするとはひっくり返すことだ。位置を動かせるわれわれの想像力を駆使して,見えているものを変えてみることで,見え方を変える。見え方を変えることで,いままでの自分の見方が動くはずである。
しかしそれをするためには,対象を見ている自分の位置にいる限り,それに気づきにくい。それが可能になるのは,見ている自分を見ることによってである。
つまり,見る自分を突き放して,ものと自分に固着した視点を相対化することだ。そうしなければ,他の視点があることには気づきにくい。
メタ化
である。メタ・ポジションをとる。
自分自身を含め,自分の見方,考え方,感じ方,経験,知識・スキル等々を対象化することだ。それは,
「みる」をみる
ことだ。「みる」を意識しない限り,何をみているかはわかるが,どう「み(てい)る」か,どこから「み(てい)る」か,みる自分自身は気づけないからだ。
そのためには,いったん立ち止まって,自分を,自分の位置を,自分のしていることを,自分のやり方を振り返らなくてはならない。
たとえば,言葉にする,言語化する,図解する,というのもその方法のひとつになる。
おれはどつぼにはまっている,
という独り言でもいい。
それをするためには,対象化する必要があるからだ。つまり,象徴的な言い方をすれば,
「みる」をみる,
ということになる。
さて,おのれは,いまどういう状態にあるのか,
まあ,立ち止まってみるか。しかし,ずっと立ち止まっていないか?そろそろ動いた方がいい。思案しても,事態は変わらない。。。。。
今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください