2014年06月30日
場
場を読む
というのが苦手なのだが,もっと苦手なのは,
場に合わせる
ことだ。しかし,場とは,そもそも何を指すのか。語源的には,
マ(間・土間・庭)
の音韻変化によるという。
間については,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/395727101.html
で触れた。時間的,空間的な意味を持つといっていい。
場は,辞書的には,
①物事が起こったり行われたりしている広いところ。「机を置く場」「場を取る」「場をふさぐ」
②物事の行われる時機,局面。場合。「場数」「場馴れ」
③物事を行うために設けた場所。また,機会。「改まった場」「公の場」「場を踏む」「場を外す」
④物事が行われている時の,その時々の状況や雰囲気。「場を取り繕う」「場がしらける」「場の雰囲気」「場を弁える」
⑤(「その場で」の形で)すぐその時。その席上。即座。 「その場で答える」「その場で捕らえる」
⑥芝居・映画などの場面。シーン。 「殿中刃傷の場」 「二幕三場」
⑦花札・トランプなどで,札を積み重ねたり捨てたりしてゲームが行われる場所。 「場の札」
⑧取引所で,売買取引を行う場所。立会場。「 場が立つ」
⑨〔field〕 空間,または時空の各点上で与えられた量のこと。数学的には空間,または時空間の関数のこと。電磁気学での電場,磁場は身近な例。
⑩各部分が相互につながりをもった全体構造として動物や人間に作用し,その知覚や行動の仕方・様式などを規定している力として考えられた状況。
等々,多様である。ただ,推測するに,どうやら,場ということを言ったとき,ただ意味のない場所やニュートラルな場所を意味していないらしいのに気づく。
「場」が,
神を祭るために掃き清めたる場,
という意味を本来持っていて,
庭
と同義ということから見ると,自分にとって大事な場所,場面,局面,時機を指しているに違いない。
どこでもいい場,
ありきたりの場,
ではなく,ほかならぬ,
その場,
でなくてはならない。それは,人によって意味が違うかもしれないが,
正念場であったり,
見せ場であったり,
修羅場であったり,
するのは,その場の意味を,自分が分かっているからに他ならない。だから,
場を弁える,
というのは,たとえば,場の側から,あるいは周囲から,
場違い,
と言われるような意味ではなく,おのれにとっての意味こそが大事なのだ。その大事さを自分が承知しているかどうかだ。同じように,
場を読む
というのも,空気を読むというような,同調圧力や雰囲気を壊さない,という意味ではなく,自分にとっての,
その場,
がもつ意味でなくてはならない。
だから,
立場,
足場,
持ち場,
職場,
仕事場,
の場の意味が生きる。あくまで,自分にとって,かけがえのない,
その場,
であるということだ。それが示しているのは,
ピンポイント
のこともあるが,
エリアやフィールド
を指すこともあり,もっと広く,
時代状況
を指すこともある。それは,自分にとっての,あるいは自分が生きる上での,
そのとき,その場,
の持つ意味と重なってくる。だから,
場数,
場馴れ,
は,単なる経験数を指すのではない。必要不可欠な「場」を踏んでいる,ということを指す。
果たして,その意味で,場を踏んだと言えるのかどうか,いささか心もとなくなった。
今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください