2014年07月20日
仕儀
辞書を調べると,
ことの次第,
ことのなりゆき
とある。語源を調べようとしたが,持っているものでは載っていない。で,大槻 文彦編『新訂大言海 』を繰ると,
旨義
あるいは
時宜
の転か,とある。
旨義は,文章などで表現されているものの,おもむき,意味,とある。
時宜は,ときの宜しきにしたがうこと,程よき頃,とある。
そのとき
を少し長くすると,
過程
ということになり,
次第,
成り行き,
顛末,
経緯,
首尾,
結末,
とほぼ重なってくる。
仕儀の「仕」は,
つかえる
意味であり,「儀」は,
のり,手本となるべき基準,作法,
という意味だ。とすると,たんなる成り行きではない。かくあるべき流れに従って,矩につかえる,といった意味になる。
そう考えると,丸めると,次第とも顛末とも変わりなくなるが,あるレベルを維持して,かくなったという意味になる。
しかも,ものによっては,仕儀には,ただ,ニュートラルな成り行きではなく,
特に,思わしくない結果・事態,
を指すともある。
そう考えると,
左様なる次第にて,おわかれします,
と
左様なる仕儀にて,おわかれします,
とでは,お互いのそれまでの経緯が,まったくニュアンスが変わる。格式ばっているというようなことではない。
両者の関係が,ニュートラルな,あるいは友好的とは限らず,
かような事態になり,
かかる仕儀になり,
と,どこか詫びるニュアンスが出てくる。そこに,基準においているのが,
両者の期待値なのか,
世の中の求める規準なのか,
は別として,それから外れている,というニュアンスが出る。だから,
野辺の送りもでき兼ねる仕儀と相成り,
といった用例につながっていく。
いやはや,かかる仕儀にて,かようなる結末と相成り,面目次第もござりませぬ。
参考文献;
大槻 文彦編『新訂大言海 』(冨山房)
今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください