2014年09月29日

そもそも


そもそも

は,

抑々

と書くが,語源的には,

ソモ+ソモ

だという。

ソモ

というのは,

「それも」

という意味らしい。で,文頭のそもそもは,,

一体,
とか
さて,

の意味になる,という。その例示として,

「そもそも,それが間違いのもと」

と示されている。しかし,不遜ながら,それは,ちょっと違うのではないか。

「そもそも,それが間違いのもと」

というのと,

「さて,それが間違いのもと」

というのと,

「一体,それが間違いのもと」

とでは,まったくニュアンスが違うのではないか。

さて,

というのは,辞書では,

「これこれで」「しかじかで」

「そのままで」「そのようで」

と言った使い方をするが,文頭で使うときは,

そうして,
それから,

という意味だという。しかし,ちょっと違う気がする。

それから,

だと,それまでの文意をそのまま続ける感じだか,

さて,

と使うことで,話題を転じるニュアンスがある。たとえば,

何々というわけなのです。さて,

といったとき,むしろ,「ところで」というニュアンスになる。

それより,一体には,

おしなべて,
とか
総じて

という意味になるので,いくらか,「さて」よりは「そもそも」に近いことは近いが,しかし,「一体(に)」は,

一般的に,
とか
全体的に

といった,ひとしなみに括るというか,丸めるという感じがある。あえて言うと,風呂敷でひとまとめにするというか,水平に広げる感覚である。しかし,

そもそも

というのは,

根本的に,

というか,もう少し掘り下げて,

根源的に,

という,垂直的に遡及していく感覚がある。

で,辞書を引いてみると,

「其(そ)も」を重ねた語

とあって,

ものごとを説き起こすときなどに文の冒頭に用いる語

としている。副詞的に

それがそもそもおかしい

という使い方もするが,名詞化して,

はじまり,
最初,
おこり,

という意味としても使われる,とある。この,名詞化したニュアンスが,もともと

そもそも

にまとわりつくにほひの気がする。つまり,

ことの起こり,
というか,
謂われ,
というか,
由来,
というか,
発端,

と言ったような。だから,類語としては,

元から
初めから
元来
元は
元来は
元々
最初から
古来は
当初

等々が出てくるが,しかし,「そもそも」と言うとき,単に,

始め,
とか
最初,

というのではなく,

「軽々しく言われているが,これは,そもそも」

ともったいづけて,何と言うか,仰々しくというか,思わせぶるというか,どこか,実体よりも嵩上げして,

もっともらしく権威づける(逆に大袈裟に貶めるという使い方もある),

といった意図が透けて見える感じがある。でなければ,こんな大仰な物言いはしない。

「そもそも,わが社は,」
とか
「そもそも,我が家は,」
とか,逆に,必要以上に貶めるために

「そもそも,お前と言うやつは,」

と言うのもあるが。

参考文献;
増井金典『日本語源広辞典』(ミネルヴァ書房)





今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm

【関連する記事】
posted by Toshi at 05:07| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください