今年一年を一字で表すとすると,



になる。

暗い,覆われて光がないさま 「暗冥」
道理にくらく何もわからないさま 「冥愚」「頑冥」
奥深くて外からははっきりわからないさま 「冥々」「冥想」「青冥」
死者の世界 「冥土」「冥途」「冥福」
うなばら 

といった意味があるが,「冥」の字は,

「冖(おおう)+日+六(入の字の変形)」

で,陽が入り,何かに覆われて光のない状態,を意味する。だから,

道理に暗い
とか
外からうかがえない
とか
死者の世界

というのは,何がに覆われて暗いということのメタファーから来ていることが分かる。



の,目をつむって何も見ない,というのと同系と言うのも,そこから繋がる。あるいは,うなばら,の意もあり,



にも通じている。

冥にした理由は,

http://ppnetwork.seesaa.net/article/402787129.html

http://ppnetwork.seesaa.net/article/398323501.html

http://ppnetwork.seesaa.net/archives/20121220-1.html

http://ppnetwork.seesaa.net/archives/20121110-1.html

で書いた,40年来の友人の死が効いている。同じ時代に彼が生きている,と思えるから,あるいは,彼にまた会えるから,もう少し頑張ってみよう,と思える友人は,もうほんの僅かしかいない。そのことが一層晦い気持ちにさせる。僕にとって,そういう友人を失ったのである。日々,年々,その重さが身に染みて来るに違いない。

人は二度死ぬという。一度目の死は,友人自身の,そして二度目は,友人のことを記憶している人の死によって。その意味で,まだ友人は生きている。



は,必ずしも暗さではない。友人の現身が,次元を変えて,この世に存在しなくなった,ということだ。それは,ただ見えない暗さとは違う。因みに,同じくらさでも,

昏は,暮れる暗さ。黄昏。
昧は,夜明けなどの暗さ。愚昧。
瞑は,陽の蔭って暗い。
晦は,真っ暗。

で,冥は,

つかまえどころのない暗さ,
暗くて,はかりしれない,

というニュアンスで,蒼冥(青冥)で,青空,渺冥は,遠く遥かにして,さだかに見えないこと,を言う。



には,どこか神秘的な色合いがある気がする。それが,この字を選んだ第一の理由だが,第二には,得体のしれない深くて暗い闇,と言うニュアンスを嗅ぎ取ってもいる。まさに,

冥行

の不安とおののきがある。行く手に,二度と戻れぬ大瀑布が控えている予感がするのに,日々,へらへら笑い興じているという不気味さである。

フランス政府は日本を「危険国」に指定。
日本の子供の貧困率は16.3%,つまり6人に1人。先進35カ国の貧困状態の子供10人に1人は日本の子供。
非正規雇用が初の2000万人超!労働者の3分の1以上が非正規。
日本の1人当たりGDP,世界19位に大幅後退。名目GDP総額も17%減。
投資家ジム・ロジャーズは2020年までに世界規模の破綻と予言。「『日本を破綻させた男』として安倍首相は歴史に名を残す」と。
「世界報道の自由度ランキング 2014」が59位,台湾(50位),韓国(57位)を下回る。
人種差別等の差別を禁止する法律がなく,ヘイトスピーチ・デモが横行している。
広範な政府情報を秘密とし,これに近づく者には厳罰を科す『特定秘密保護法』が施行。
フクイチはコントロールできず,日々膨大な汚染を太平洋に拡散し続けていることに無頓着である。
子どもに甲状腺がんが出現し始めている(チェルノブイリと似ている)のに放射能との因果関係を否定し続けている。

等々,最近のトピックを拾っただけで,不安になる。いや恐怖に近い。おまけに,集団的自衛権,武器輸出に給付金,カジノ,外国人労働者年間20万人,憲法改正…。やっていること,やろうとしていることが,日本の現況と乖離し,妄想の現実化を図っているようにしか見えない。思考は現実化する?

これで不安と恐怖を感じない人は,現実感覚がどこかマヒしているに違いない。来年が,



の字となり,暗澹たる気持ちにならないで済むように,日々,一人一人の生き方が問われている。それは,未来の日本,未来の日本人への,いやいや,未来の地球の人類への,責務なのではないか。


追而;
今年一年大変お世話になりました。ありがとうございました。明年もよろしくお願い申し上げます。よいお年をお迎えください。

ということで,次回更新は,4日以降からの予定です。


今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm

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