2015年03月01日

かたじけない


謝ることについては,

http://ppnetwork.seesaa.net/article/409986995.html

で触れたし,感謝については,「ありがとう」について,

http://ppnetwork.seesaa.net/article/388163565.html

で触れた。改めて,違う角度で考えようとしたとき,「かたじけない」という言葉が気になった。

かたじけない,

は,

忝い
とも
辱い

とも当てる。いささか古い言い回しで,昨今こんな大時代な言い方をする人はいないだろう。語源は,

「カタジケ(緊張・おそれ)+なし(甚だし)」

で,ありがたい,おそれおおい,という意味になる。

漢字の語源では,

「辱」は,

「辰(やわらかい貝の肉)+寸(手)」

で,「辰」は,

二枚貝が開いて,ぴらぴらと弾力性のある肉がのぞいたさま,を意味する。

「寸」は,「手のかたち+一」で,手の指の一本の幅のこと。因みに,尺は,手尺の一幅で,指十本の幅。

で,「辱」は,強さをくじいて,ぐったりと柔らかくさせること,らしい。そこから,人の心を砕く,となる。

「忝」は,

「心+音符 天」

で,「天」は,大の字にたった人間の頭の上部の高く平らかな部分を一印で示したもの。もと,巓(てん・いただき)と同じ。頭上高く広がる大空もテンという。高く平らかに広がる意。「心」は,心臓を描いた象形文字。血液を細い血管すみずみまでいきわたらせる心臓の働きに着目したもの。この場合,「天」の字にはあまり意味がないらしい。で,「忝」は,

心にべたついてきになること,

という意味になる。まあ,心に引っかかる,という意味なのだろうか。

同じ,「かたじけない」に当てても,「辱」と「忝」では意味が少し変わる気がする。「辱」は,

はじる
はずかしめる

という意味があり,「自信や体面をくじく」「挫けた気持ち」「だいなしにされた気持ち」という意味がある(「恥辱」)。で,そのニュアンスで,「かたじけない」には,

相手が体面をけがしてまで,おやりくださったという意味を込めた,ありがたい,

という意味になる(「辱知」「辱交」)。他方,「忝」は,

かたじけなくする
かたじけない

の意味があり,「分に過ぎて気が引ける」という意味になる。このほかに,

はずかしめる

の意もあるが,「余計なレッテルを張る」「表面を汚す」という意味で,どちらかというと,相手がどうのこうのというより,こちらが,身を縮めている,というニュアンスである。

だから,かしこまる意味では,

辱い

でいいが,恐縮するという意味では,

忝い

でなくてはならない。類語で言うと,

お恥ずかしい,
ありがとう,
もったいない,
畏れ多い
もったいない,
お恥ずかしい,
申し訳ない,
めっそうもない,

というところだ。「もったいない」については,

http://ppnetwork.seesaa.net/article/412531070.html

で触れたが,こう見ると,やはり,

自分を卑下するか,
相手を持ち上げるか,

の二つのタイプになる。しかし,自分を下げることは,相対的に相手を持ち上げることだから,いずれにしても,相手を持ち上げることになる。もともと「有り難い」ということ自体,あり得ない(好意,厚意)と言っているのだから,感謝にニュートラルはないのかもしれない。それについては,

http://ppnetwork.seesaa.net/article/414403975.html

で触れたように,感謝自体が,元来,心の負荷を返すことなのだから。






今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm

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posted by Toshi at 06:21| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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