アセスメントとは,
Assessment,「課税」「査定」「評価価値」「分担金」などを意味する英語からきている。日本では「評価」「査定」の意味で用いられることが多く,「対象が周囲に及ぼす影響の評価をすること」「開発が環境に与える影響の程度や範囲,また対策について,事前に予測・評価すること」などをさす,
とされる。ここでは,コーチングにおける,自己点検といった意味で使っている。コーチからの課題で,
セルフ・アセスメント項目,
を考える,というのを課され,改めて,現時点での,自己点検項目を洗い出してみた。何度か,コーチングのことについては触れているし,コーチの姿勢については,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/391214445.html
でも整理したが,今一度,現時点の確認をして,15項目にまとめてみた。
①姿勢を正す。
別にグランディングを持ち出さないまでも,きちんと,居ずまいを正すことが,聴くことの基本である。そうすることで,相手のすべてに感度が高まり,勘というか,直感が冴える。それについては,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/414675457.html
や
http://ppnetwork.seesaa.net/article/417110159.html
で触れた。かつて,僕はかつて,「要約がうまい」と言われ,自分でも,そう思っていたが,実は,相手から見ると,直感を返していたらしいのである。
②間(ま)を意識する。
この場合,相手のしゃべりのテンポ,息遣い,ということもあるが,
言語化のスピード
や
相鎚の間合い,
と言うのも含まれる。それについては,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/415288692.html
や
http://ppnetwork.seesaa.net/article/412037148.html
で触れた。間を考えるとき,意外と,聴き手側の相鎚の間合いが重要であることは,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/417160692.html?1428781997
で触れた。
③文脈を共有する。
これは,決めつけられた,レッテルを張られた,と相手に感じさせないために,同じ文脈にいる努力がいる,ということだ。それについては,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/416425472.html
で触れた。あるいは,従来言ってきたことで言えば,
同じ土俵に乗っているかどうか,
ということとも関係がある。それについては,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/388163150.html
http://ppnetwork.seesaa.net/article/388163020.html
で触れた。
④遠くを見る。
これは,CTIでいうところの,大きな主題,を指す。つまり,当面の問題解決や,当面の主題ではなく,その人の人生そのものの主題は何か,というところを外さない,ということだ。それについては,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/392970265.html
http://ppnetwork.seesaa.net/article/409811339.html
でも触れた。それは,Howに走らず,その人の価値や,大切にしているものを浮かび上がらせる,ということでもある。
⑤ノンバーバルの変化。
これは当たり前だろうが,息遣い,声,身ぶり,居ずまい,そういった視覚的,聴覚的な情報に,感度を上げる,ということに尽きる。聴く,というのは,本来そういうことだ。
http://ppnetwork.seesaa.net/article/410724005.html
で,触れた,共感性がないところでは,その感受性は,鈍るだろう。
⑥沈黙への感度。
沈黙を待つとか,沈黙を意識するということではない。沈黙を,沈黙として受け止めている限り,聴き手側は,共感性がきちんと持てていない証なのである。沈黙は,当人にとって,沈黙ではない。あわただしい自己対話そのものなのである。それについては,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/413804239.html
で触れた。言ってみれば,相手と,
一緒になって沈黙の時間をもつ,
ということなのかもしれない。
⑦ラベルを張らない。
エリクソンの言う,
「相手について仮定しない」
ということである。仮説(妄想かもしれない)は,こっちの仮説(思い込み)であって,相手自身ではない。そのことを忘れると,平然と決めつける。決めつけは,文脈の共有化,つまり相手との関係性が出来ていない証でもある。決めつけについては,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/416425472.html
でふれたし,それによる痛い目は,自分自身が,味あわされた。その痛い目については,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/388163096.html
http://ppnetwork.seesaa.net/article/391125143.html
で触れた。言葉は,ある面,
凶器,
となることを忘れてはならない,軽々にラベルを貼るなど,もってのほかである。
⑧ニュートラルもしくは風である。
自然体という言い方もできる。風にそよぐように,そこにいる。そういう聴き手でありたい。それを,
風,
と呼ぶ。あるいは,そういう自己規定そのものも,手放す,ということかもしれない。それについては,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/388163179.html
で触れた。まあ,コーチ,コーチとしてそこにいない,コーチとしての存在感を消す,と言ったらいいであろうか。
⑨直感を伝える。
姿勢を正すところで触れたが,相手の話していることから受ける直感を見逃さず,聞き逃さず,言語化すること。言葉にしないことは,伝わらない。それについては,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/414675457.html
で触れた。最近気づいたのは,僕が要約と思っていたことが,相手には直感と聞こえていたらしいことだ。それについては,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/417210569.html?1428869226
で触れた。
⑩フィードバック。
それは,承認の形であるかもしれないし,事実の形であるかもしれないし,直感の形であるかもしれないし,さらには,要約や確認の形かも知れない。ともかく,こちらに写った相手のことを,細大漏らさず,伝えること。承認については,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/388163040.html
で触れた。言ってみれば,私には,
こう写った,
こう見えた,
こう聞えた,
こう感じられた,
と,言葉を惜しまず,言語化することだ。口に出さないことは,決して伝わらない。
⑪○を付ける。
相手に○印をつけるというか,コンプリメントといってもいい。あるいは,できていないことではなく,できていることに焦点を当てる,という言い方でもいい。
http://ppnetwork.seesaa.net/article/388163040.html
http://ppnetwork.seesaa.net/article/388163420.html
できないことではなく,できている状態,どうなったら解決しているかに,焦点を当てる。ソリューション・フォーカスト・アプローチで言う,
プロブレム・トーク
ではなく,
ソリューション・トーク
である。それについては,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/388163304.html
で触れた。
⑫メタコミュニケーション。
会話自体を,メタ・ポジションから振り返る。それは,出発点で,
何を得たいか,
どうなったらいいのか,
を確認してあることで有効になるが,しかし,それは単なる確認で,そのときはそう思っただけかもしれない。だから,会話を経て,確認してみると,まったく違うものを得たいと思っているかもしれない。その確認である
⑬リソース。
その人のもっているものを,リソースとして焦点をあて,人と違う,その人だけの何かを,見つけ出すこと。それは些細なことかもしれない,仄見えるだけかもしれない。それを照らし出す。あるいは,その確認,追認。承認ではなく,相手への認知。そして,そのリソースを最大化すること。
http://ppnetwork.seesaa.net/article/388984031.html
http://ppnetwork.seesaa.net/article/388163193.html
で触れた。それは,その人らしく,ということでもある。それはまた,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/388163306.html
で触れたように,遺伝子の開花,である。
⑭いま・ここ。
Dance in this moment(Dance in the moment),
である。それは,
その時,
その場で,
その人とともに,
どこへ行くかは,そのひとまかせで,
行先も,目標も,コースも,歩き方も,
相手にゆだねて,
である。それは,柔軟性,ということでもあり,共感性の別の言い方でもあり,文脈を共有する,ということの現れでもある。それについては,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/388163425.html
で触れた。
⑮いつもおのれでいる。
自然体とは,
自分でいる,
ということだ。それは,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/388163191.html
で書いたように,そこでの在りように,関わり方に,反応の仕方に,応答の仕方に,口の利き方に,結局,
おのれ,
が出る。出るのでいいのだ,と思う。しかし,願わくば,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/388163582.html
で書いた,
心映えのでる,
おのれでありたい。
アセスメントは以上であるが,先に,沈黙で触れたように,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/413804239.html
で書いた,
相手の自己対話に参加する,
と言うのが,基本姿勢である。それがあって,以上のアセスメントが生きる。それ抜きでは,文脈の共有も,共感も,沈黙を共にすることも,あり得ない。質問は,相手自身の自問の代替でなくてはならない。
今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
ラベル:アセスメント コーチング コーチ セルフ・アセスメント エリクソン 姿勢を正す グランディング 要約 間(ま) 言語化のスピード 相鎚 文脈 同じ土俵 CTI 大きな主題 ノンバーバル 共感性 感受性 沈黙 自己対話 ラベル 仮説 文脈の共有化 自然体 自己規定 存在感を消す 直感 フィードバック 承認 言語化 ○印をつける ソリューション・フォーカスト・アプローチ プロブレム・トーク ソリューション・トーク メタコミュニケーション メタ・ポジション リソース 遺伝子の開花 自分でいる 応答の仕方 反応の仕方 心映え 自問の代替
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