2015年04月26日

翁長知事


ほとんど知られていないが,国連のB規約(市民的および政治的権利)人権委員会は日本政府に対し,

「琉球民族にアイヌ民族と同様に『民族の言語、文化について習得できるよう十分な機会を与え、通常の教育課程の中にアイヌ、琉球・沖縄の文化に関する教育も導入』し、さらに『琉球民族の土地の権利を認めるべきだ』」

と求めた。B規約(市民的および政治的権利)人権委員会からの勧告とは,

「『市民的および政治的権利に関する国際規約(B規約)』は、1966年の国連総会で採択された国際人権規約の一部で、76年に発効した。締約国は国内の人権や自由を尊重・遵守するよう求められており、定期的に政府報告書を提出する義務を負う。委員会は、締約国において規約の実現のために十分な措置が取られているかについて、締約国の政府および市民団体、個人が提出する報告書を審査し、最終所見として勧告する。」

というもので,

「今回の琉球・沖縄の人々の土地の権利、言語や文化について学ぶ権利に関する勧告は、琉球弧の先住民族会(AIPR)や沖縄市民情報センター、その他の市民団体が、90年代半ばから国連の先住民作業部会で訴えてきたことの結果」

と見なされている。こういう背景を,考えた上で,辺野古問題を考える必要がある気がしている。

先日,翁長知事は,何回もすっぽかされた末,わずか30分の会談を,実現できた。しかし,

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=112136

そこで,本来,公開で5分ずつ話すはずが,3分に削り,しかも翁長氏が話している最中に,記者団を外へ追い出した。余程情報公開が嫌いらしい。

「総理も官房長官も16年前、当時の稲嶺(恵一)知事、地元名護市長も辺野古基地を受け入れたとおっしゃっていますけれども、しかしながら稲嶺知事は代替施設は軍民共用施設として、そして米軍による施設の使用については15年の期限を設けることを条件として受け入れを認めたわけです。
それから岸本(建男)名護市長は日米地位協定の改善、それから施設の使用期限、それから基地使用協定等の前提条件が満たされなければ容認は撤回すると言っておりました。
当時の政府は平成11(1999)年12月、稲嶺知事と岸本市長はこれを重く受け止め、米国政府と話し合う旨、閣議決定を認めました。しかし、その閣議決定は平成18(2006)年に沖縄県と十分な協議がないまま廃止されました。
従って16年前に知事や市長が受け入れを決めたというのは前提条件がなくなったことで、受け入れたというのは私たちとしては間違えだというふうに思っています。」

「前知事が、埋め立てを承認したことを錦の御旗として、辺野古移設を進めておられますが、昨年の名護市長選挙、沖縄県知事選挙、衆議院選挙は前知事の埋め立て承認が争点でありました。
全ての選挙で辺野古新基地反対という圧倒的な民意が示されたわけであります。沖縄は自ら基地を提供したことは一度もございません。普天間飛行場もそれ以外の基地も戦後県民が(捕虜)収容所に収容されている間に、(土地が)接収された。または居住場所をはじめ銃剣とブルドーザーで強制接収され、基地造りがなされたわけであります。
自ら土地を奪っておきながら老朽化したから、世界一危険だから沖縄が負担しなさい。嫌なら代替案を出せと言われる。こんな理不尽なことはないと思います。」

と,ここまでで,記者は退出させられたのである。この後,

「私は沖縄にある米軍基地や米国政府の責任者から、辺野古の問題は日本の国内問題だとよく言われます。
われわれ県民から見たら、米軍基地の運用について日本政府がほとんど口を挟めないことをよく知っていますから、辺野古の問題についても、県民からは実感として、県民と米軍、県民とアメリカ政府との問題だとも思えます。
ですから、私も近いうち訪米をして県民の思いを米国政府、シンクタンク等さまざまな方々に訴えようと思っています。」

なぜ沖縄の民意が,辺野古移設反対にあるかは,翁長氏の立ち位置を見ればわかる。単に,辺野古へ持って行くことではない。いままでは,米軍に強制的に追い立てられて,基地にされた,今度は,初めて,

日本政府によって(強制的に)基地を造られる,

というよりも,

「日本が初めて米国に基地を『提供』してしまうからだ。奪われたことはあっても提供なんかしたことがない。」

ということに,怒りと,絶望を感じている。そのことに,僕も含めてほとんどの(本土の)人間は,気づいていない。

翁長・管対談については,

http://ppnetwork.seesaa.net/article/416946633.html

http://ppnetwork.seesaa.net/article/417056502.html

で触れた。

三年前の時点で,翁長氏は,

http://www.geocities.jp/oohira181/onaga_okinawa.htm

で,言っている。

「沖縄は自ら土地を提供したことは一度もございません。自ら土地を奪っておきながら、老朽化したから、世界一危険だから沖縄が負担しろ、嫌なら代替案を出せと言われる。こんな理不尽なことはないと思っております。」

「ぼくは自民党県連の幹事長もやった人間です。沖縄問題の責任は一義的には自民党にある。しかし社会党や共産党に国を任せるわけにもいかない。困ったもんだと、ずっと思ってきた。ただ、自民党でない国民は、沖縄の基地問題に理解があると思っていたんですよ。ところが政権交代して民主党になったら、何のことはない、民主党も全く同じことをする」

「僕らはね、もう折れてしまったんです。何だ、本土の人はみんな一緒じゃないの、と。沖縄の声と合わせるように、鳩山さんが『県外』と言っても一顧だにしない。沖縄で自民党とか民主党とか言っている場合じゃないなという区切りが、鳩山内閣でつきました」

「沖縄にすべて押しつけておいて、一人前の顔をするなと言いたい。これはもうイデオロギーではなく、民族の問題じゃないかな。元知事の西銘順治さんが、沖縄の心はと問われ、『ヤマトンチュ(本土の人)になりたくて、なり切れない心』と言ったんだけれど、ぼくは分かった。ヤマトンチュになろうとしても、本土が寄せ付けないんだ。
寄せ付けないのに、自分たちの枠から外れると『中国のスパイだ』とかレッテルを貼る。民主党の前原誠司さんに聞かれたよ。『独立する気持ちはあるんですか』と。ぼくは、なでしこジャパンが優勝した時、あなたよりよっぽど涙を流したと話しました。戦後67年間、いじめられながらも『本家』を思ってきた。なのに基地はいやだといっても、能面みたいな顔で押しつけてくる。他ではありえないでしょう。日本の47分の1として認めないんだったら、日本というくびきから外してちょうだいという気持ちだよね」

予想通り,「翁長沖縄県知事は中国の手先」というデマを流し始めている。いまや、虚実ないまぜのネガティブキャンペーン(「翁長は中国と近すぎる危険人物」)といっていいものが展開されはじめている。

「一つが、那覇市の若狭緑地に建設中の中国風のモニュメント『龍柱』をめぐるものだ。市の都市計画マスタープランでは、那覇西地域で『中国とのゆかりが深い歴史性を生かしたまちづくり』を推進。福建省・福州市との友好都市締結30年を記念し、『那覇の新しい玄関口としての魅力を高めたい』と龍柱建設を計画した。それは翁長市長時代に決められたプランであり、『翁長氏に中国側から賄賂が流れた』という怪情報が地元で流されているのである。加えて『龍柱が完成したら、龍の目は上海を向く』というイチャモンのような話も広められた。」

さらに,

「翁長知事の娘は長く中国に留学していた」
「娘は、上海市政府に勤める中国人と結婚している。相手は習近平人脈に連なるエリート共産党員だ。中国に行ったままなかなか帰国を認めてもらえない。人質に取られているも同然だから、基地問題で中国寄りの姿勢をとらざるを得ない」

しかし実際は、娘は結婚も留学もしていない。「龍の目が上海を向く」も,単に空港からの車の流れや港に着く船からの人の動線を考慮して「海側に向けられただけ」だった。

さらに、翁長知事が福州市から「名誉市民賞」を受けているとする情報も広がっている。だから「中国寄り」というわけで、やはりこれもネットで「売国奴だ」と批判の対象になった。名誉市民賞は事実だが、実態は友好都市として歴代那覇市長と福州市幹部が「名誉市民」の称号を交換してきた歴史があるだけだ。

いまさら,この国の首相がどうの,自民党がどうの,ネトウヨがどうの,と言ってみたところで意味はない。問われているのは,ひとりひとりの倫理である。いかにいくべきか,いかにあるべきか,に応え得る言動かどうかだ。まあ,ぶっちゃけ,

人としてどうなのよ,

ということだ。天に恥じないのかどうかだ。さて,

「訪米した際には、オバマ大統領へ沖縄県知事はじめ、県民は、辺野古移設計画に明確に反対しているということを伝えていただきたい。よろしくお願いします。」

と,翁長知事は託しましたが,伝えますでしょうか。そもそも耳に届いていない。伝えんでしょうな。

参考文献;
http://ryuma681.blog47.fc2.com/blog-entry-1211.html
http://www.geocities.jp/oohira181/onaga_okinawa.htm
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=112136
http://www7b.biglobe.ne.jp/~whoyou/bunkenshiryo3.htm







今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm

posted by Toshi at 05:41| Comment(0) | 生き方 | 更新情報をチェックする
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