2015年06月20日

りょうけん


「りょうけん(れうけん)」は,

了見
とも,
料簡
とも
了簡
とも当てる。意味は,

考え,思案。(「料簡が狭い」)
考えめぐらすこと,よく考えて判断すること。(「よく料簡して前後を考え…」)
とりはからい,処置,取るべき対策。(「何卒,御料簡あるべしとの御意」)
堪え忍ぶこと,よく弁えてこらえること,勘弁。ゆるす。(「何程詫びても料簡はならぬ」)

である。ただの「考え」というよりは,

何かを決める,何か対応する,何かの対策をとる,

にしても,「よくよく思案して」というニュアンスが込められている。だから,

「料簡勝ち」は,我慢強いこと,
「料簡尽く」は,互いに腹を立てずに穏やかに物事をまとめていくこと,考えに任せて事を運ぶこと,
「料簡なし」は,(思案がつきて)どうにもならない,
「料簡違い」は,不心得(だが,思案が甘いか,思案が偏っているので),見当違い,考え違い,
「料簡深い」は,考えが深い,思案が深い,
「料簡物」は,よくよく考えてみなければならない事柄,

等々,となる。「料簡」は,

はかり選ぶこと,

だが,「料」は,

「米+斗(ます)」

で,穀物をざらざらとますにいれて,かさをはかること,

とある。「簡」(本来は,門の中は,「日」でなく「月」だから「間」は,「閒」)の「間」は,

「門のすきまがあいて,月(日)がその隙間から見えることを示す」会意文字,

で,「簡」は,一枚ずつ間をあけて,綴じる竹の札,を意味する。紙の無かった時代の竹の札である。「簡」には,

「擇」(は,良し悪しをよること)と対比して,「擇より一層優れて良き方を取る」

という意味がある。つまりは,「料簡」で,

考量しつつ,判断していく,

という意味があることになる。

「料簡」は,「了簡」とも書くが,この場合,

「了(さとる,よくわかる)+簡(えらぶ,比べる)」

で,比べて,判別する,という意味になる。「了見」ともあてるが,「了」は,

「物がもつれて,ぶらさがるさま,またぶら下がった物をからげるさまを描いたもの,転じて,長く続いたものをからげて,けりをつける」

という意味の象形文字。「了簡」をつかうと,

あれこれ比較考量し終えて,考えがまとまった,

という方に,意味がシフトしているように見える。さらに,「了見」となると,「見」は,

「目+人」

で,目立つものを,人が目にとめること,また目立って見えることから,現れる,

という意味になる。そうすると,「了」と「見」で,

比較考量の結論がはっきり表れている,というか決まった,

というニュアンスになる。そうすると,

料簡→了簡→了見

の順に,推し量っているプロセスが,結論側にシフトしていく,という意味になる。そうすると,たとえば,

「料簡尽く」

には,

互いに腹を立てずに穏やかに物事をまとめていくこと,

考えに任せて事を運ぶこと,

の二つの意味があるが,前者は,

料簡(推し量りながら選んでいく)

でいいが,後者は,

了見(考えがまとまる)

でないと,それをごり押ししていくニュアンスが,でない。あるいは,

「料簡なし」は,

(思案がつきて)どうにもならない,

だから,既に(思案の果ての)結論側から見ているので,「了見」にあうし,

「料簡違い」は,

不心得(だが,思案が甘いか,思案が偏っているので),見当違い,考え違い,

だから,やはり,(思案の果ての)結末が出ているという時点からみているので,やはり,

「了見」が合う気がする。まあ,料簡の浅い人間の言うことだから,

了見違い,

に違いないが。

参考文献;
藤堂明保他編『漢字源』(学習研究社)
簡野道明『字源』(角川書店)
金田一京助・春彦監修『古語辞典』(三省堂)







今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
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