2015年07月11日

あとくされ


あとくされは,

後腐れ

とあてる。「あとぐされ」ともいう。物事がすんだあとでもすっきりと解決せず、問題があとを引くこと,を指す。通常,

あとくされがない,

という言い回しをする。

「物事の終った後に面倒なこと、煩雑なことが残らないさま。すっきり終れる、その場限りの関係で済む、といった意味合いで用いられる表現。」

という。それにしても,今度の新国立競技場,あとくされがありすぎる。

詳しい経緯は,

http://lite-ra.com/2015/07/post-1259.html?utm_source=rss20&utm_medium=rss&utm_medium=twitter&utm_source=twitterfeed

に譲るが,費用増で,なんと2520億円,しかも3000億には膨張するだろうとまで言われている。年間維持費が45億円で,完成後も毎年20億円の赤字が出る,と言われる。

「狂っているとしか思えない。」

という誰かの述懐が身に染みる。この経緯の詳細は,

http://www.tokyo-np.co.jp/article/culture/new_stadium/list/CK2015071002100007.html

に詳しいが,2520億円でGOサイン出してる連中の皮算用が凄まじい。

「東京都が500億円出してくれて、totoで660億円補てんして、命名権が200億円で売れて、それでも534億円足りない」

のに,この案で行けると思ってるらしいのである。どういう計算なのか。

CJUbbIeUMAA85sp.jpg

(ちょっとツイッターから借用しました)


この金額があったら,五歳児の保育料無償化が可能という。どだい,

2000年シドニー・オリンピック 572億円
2004年アテネ・オリンピック 360億円
2008年北京・オリンピック 525億円

と比べて,新国立競技場だけで2520億円である。お金をかけない五輪ということではなかったのか。

ところで,国立競技場将来構想有識者会議の有識者の面々は,

安西 祐一郎(独立行政法人日本学術振興会理事長)
安藤 忠雄(建築家)
遠藤 利明(スポーツ議員連盟幹事長 衆議院議員)
小倉 純二(公益財団法人日本サッカー協会名誉会長)
佐藤 禎一(元日本国政府ユネスコ代表部特命全権大使)
鈴木 秀典(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構会長)
竹田 恆和(公益財団法人日本オリンピック委員会会長)
張 富士夫(公益財団法人日本体育協会会長)
都倉 俊一(作曲家,一般社団法人日本音楽著作権協会会長)
鳥原 光憲(公益財団法人日本障害者スポーツ協会会長)
舛添 要一(東京都知事)
森 喜朗(公益財団法人日本ラグビーフットボール協会会長,東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長)
横川 浩(公益財団法人日本陸上競技連盟会長)
笠 浩史(2020年東京オリンピック・パラリンピック大会推進議員連盟幹事長代理,衆議院議員)

である。あとくされがないなどとは,言わせない。この連中の名前を辿ってみながら,なんだか,到底未来の日本を見据えていたとは思えない。みんな未来のない老人なのだ。たぶん,この何人かは,2020すら見ないかもしれない。そんな人間が借金を大盤振る舞いするのである。

借金時計というのがある。それによると,,

http://www.takarabe-hrj.co.jp/clockabout.html

現時点(時々刻々と膨らんでいるが),国の借金は,1016兆0624億円。GDP比150%,国民一人当たりの負担額は約815万5000円(2015年4月1日時点)になる,というのに。ふと,

後は野となれ山となれ,

という言葉が浮かぶ。この連中には,祭りだけが大事(その利権も含めて)で,

「済んでしまえば,後は荒れ果てても,知ったこっちゃない」

といった無責任さが見える気がしてならない。まだ間に合うのかどうかは知らない。しかし,後の祭りとならぬように。

因みに,後の祭りとは,

http://gogen-allguide.com/a/atonomatsuri.html

では,二説あるとするが,『語源辞典』では,

「死んでしまった人に対する『後の祀り』」

とする。さらに,「京都祇園祭の環車の行事『あとのまつり』とは別」と明言している。『大言海』は,

「江戸などにて云ひしは,祭日後の山車の意なるべし」

と,「祭」をとっているが,いずれにしても,

「することの時機に後れたること」

にならないことだ。

六日の菖蒲

とも言う。因みに,

http://news.livedoor.com/article/detail/10330879/

によると,

「建物の竣工から解体廃棄まで全体の費用を算出する『ライフ・サイクル・コスト』(LCC)の考えに基づき、建築エコノミストの森山高至氏が2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場について試算したところ、1兆円を超えることが9日、分かった。森山氏は『財政的に恐ろしい未来が待ち受けている』と警告した。」

とある。

建設から解体まで1兆80億~1兆2600億円。

もはや天文学的数値である。この付けをまるごと未来へ回そうというのである。

参考文献;
増井金典『日本語源広辞典』(ミネルヴァ書房)







今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
posted by Toshi at 05:20| Comment(0) | 政治 | 更新情報をチェックする
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