2015年07月17日

でたらめ


「でたらめ」は,

出鱈目,

と当てる。江戸末期から使われていた,という。「目」はサイコロの目を指し,

さいころを振って、出たその目のままにする意,

という。

根拠がないこと,
首尾一貫しないこと,
いいかげんなこと,
またそのさまや、そのような言動,

をいう。まあ,その実例は,今日のどこかの政府に,絵に描いたように顕現している。意味は,

いい加減,

に似ているが,「いい加減」は,「良い加減」とあてるように,

「いい(良い)+加減」

から来ていて,本来,良い状態,良い程度ををさし,それが転じて,一貫性や明確性を書いて,行き当たりばったりな態度に使うようになった。ある意味,

加減の基準(の幅)がぶれまくる,

という意味合いだろう。『大言海』は,

好加減,

と当てて,「東京語,加減も,位も,程合いなり」として,

ほどよきこと
心を尽くして処分せぬこと,いいくらい,

と,意味を説く。「心の有無」を,ここでは問題にしている。

「出鱈目」は,サイの目次第だから,

出たとこ勝負,

という感じである。『大言海』は,「出た次第の目の意,出鱈目は当て字」としている。で,

「口に出ままに,虚言などを述べ,または,法にも理(すじ)にも当たらぬ仕業などすること」

とある。一六勝負だから,である。だから,

筋の通らない,
でまかせ,

ということになる。結果として,いい加減と似ているが,そもそも,出たとこ勝負なのだから,思いつくまま勝手なことを言ったりしたりするので,もともと責任とか徹底性とかがあるはずはない。いい加減は,

その都度基準が違う,

から,その場しのぎといってもいい。『デジタル大辞泉』には,

「『でたらめ』は思いつくまま勝手なことを言ったりしたりすることであり、『Aさんをめぐる噂 はでたらめだった』では『いいかげん』と置き換えられない。」

として,

いい加減な解決の仕方,
とか
いい加減な態度を取る,

というのは,

出鱈目な解決の仕方,
とか
出鱈目な態度を取る,

には置き換えられない,とする。確かに比べてみると,そこに微妙な語感の差がある。敢えて言えば,

倫理の有無,

なのではないか。つまり,(その人の生き方,ありようと関わる)責任の有無が入るか入らない,という感じであろうか。出鱈目は,口放題だから,その埒外である。たしかに「でたらめ」は「いい加減」に(「いい加減」を「でたらめ」にも),言い換えられない感じのなのである。

『大辞泉』には,

「類似の語に『出まかせ』『めちゃくちゃ』『ちゃらんぽらん』がある。『出まかせ』は『口から出まかせを言う』のように勝手放題の意で、『めちゃくちゃ』は『めちゃくちゃな話』のように筋道の通らないの意で、『でたらめ』と相通じる。『ちゃらんぽらん』は無責任の意で、『いいかげん』と相通じる。』

ともある。そう,でたらめは,出放題だから,嘘とか,空ごと,とはちょっと違う。そういう責め方の外にある。いい加減は,虚言,戯言,譫言につながる。

さて,どっちが,無責任度が高いのだろうか。それが,責任ある地位の場合は,どうか。

参考文献;
http://dictionary.goo.ne.jp/jn/
大槻文彦『大言海』(冨山房)
増井金典『日本語源広辞典』(ミネルヴァ書房)






今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
posted by Toshi at 05:15| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください