2015年07月21日
仕方話
仕方話は,
仕形噺(仕方咄)
とも書く。
身振り・物まねによって話をすること,
または,
身振りを交えて演ずる落語,
という意味である。前に,
http://ppnetwork.seesaa.net/article/419038957.html?1431719109
で触れた,「仕方ない」と重なるかもしれないが,少し探ってみたい。
仕方は,
なすべき方法,手段,やり方,
ふるまい,しうち,
(「仕形」とも書く)てまね,身振り,
という意味である。「しかた」は,
「サ変の連用形シ(為)+方」
で,本来の意味は,
為べき手段(手立て),
の意味で,やり方,ということになる。
という意味のはずである。
しかし,「仕方」を,
手振り,身ぶり,
を指すには,何か意味がありそうである。
仕方舞(仕形舞)は,ずばり,
身ぶりや手まねで表現する舞。ものまねの所作をまじえた舞,
である。舞に所作があるのに,あえて,「仕方」を付けるには,「仕方」にしかるべき意味があったからではないのか。しかし,手元の辞書では,わからない。
漢字の「仕」は,何度か触れたことがあるが,「つかえる」という意味であり,「士」は,「おとこ」という意味で,
陰茎の突き立ったさまを描いた象形文字,
という。「牡」の字にもある。
男
という意味と,
直立する,
という意味とが含まれる。「仕」は,
真直ぐに立つ男(身分の高い人のそばに真直ぐ立つ侍従)のこと,
として,「事」に通じ,事君(君に事ふ)と仕君(君に仕ふ)とは同じ,とある。
「方」は,
左右に柄の張りでた犂を描いたもの。→のように,左右に直線状に伸びる意を含み,方向の意となる。方向や筋道のことから,方法の意が生じた,
とある。
では,「形」は,というと,
左側は,もと「井(ケイ)」で,四角いかたちを示す象形文字。「彡(さん)」は,指事文字。飾りや模様を表す記号として,彩,影,形などに用いられる,
とあり,で,「形」は,
いろいろな模様を為す,わくどりや型のこと,
とある。だから,「形」には,
かたち(外に現れた姿),
型,外枠,
カタチ,実物,
かたち,ようす,
という意味と,
かたどる,物の形を写し取る,
という意味がある。
ということから,勝手に妄想すると,
「仕方」は,
なすべき方法,手段,やり方,
であり,
「仕形」は,
身振り・物まねによって話をすること,
だったのではないか。手振りは,無意識の話の中身をなぞっている,何か形を表現しようとしている,のである。その意味そのものが強まれば,
身振りを交えて演ずる噺,
となる。どうも,億説だが,「仕形」と「仕方」は別々なのではないか。「しかた」という読みから,両者がまじりあったのではないか,と。
今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
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