2015年08月02日

土性骨


土性骨というのは,

「ど」は接頭語で、「土」は当て字,

だそうで,ど根性とか,どでかい,といったいい方をする。もともとは,

「ど(接頭語)+背骨」

が,せぼね,しょうぼね,と訛ったもの,という。意味は,

強い心根,

ということになる。連想で,「性根」を思いつく。『古語辞典』で,「しゃうね」(性根)を引くと,

正念

が,転じたもの,として,

しっかりした心,
正気,

という意味になる。ところが,『大言海』で,「しゃうね」(性根)を引くと,

ネは,根を和訓したるものか,

として,

根性に同じ,

という意味を載せ,「コン(根)」を見よ,とある。で,「根」をみると,

ね,もと,
仏教の語,人の天賦の性質,性能。根性,
ことを行ふに久しく堪へ忍ぶ精神の力。精力,気力(根気,精根,根が強い)

という意味を載せている。どうやら,「せぼね」が「どせぼね」から「どしょうぼね」と変ったのだが,「ね」に,「根」の字のイメージが付きまとったのではないか,と憶測をたくましくする。声で出してみると,

どしょうぼね

の「ぼね」は,「骨」ではあるが,「どせぼね」が「どしょうぼね」に訛ったとき,「土性骨」と当てたものらしいが,「性骨」という言い回しは,「しょうぼね」とは読ませず,「しょうこつ」と読ませる。その場合,

もって生まれた資質。特に技芸・運動の素質。また個性。

という意味で,「土性骨」の意味の「性根」の意味とは少しずれる。いや,むしろ,その素質を指す言葉で,「根性」とか「性根」という意味は,「土性骨」にしか使わない。むしろ,「土性骨」と漢字をあてたとき,性根の「根」のもつ意味が影のように付きまとっていたような気がする。

話を戻して,「どしょうぼね」の接頭語「ど」を引くと,

罵り卑しめる意を表す。たとえば,どあほう等々,
その程度の強いことをことを表す。どぎつい,ど真ん中等々,

とある。で,ふと思い出すのは,

ドン引き,

の「どん」で,これは,

接頭語「ど」を強めた語,

とある。どん尻,どん底,といったような。ただ,横道にそれるが,「ドン引き」は,もとは,

「もとは、映画やテレビの撮影で、ズームレンズを引いて被写体を小さくすること」

をいったらしく,

「日本語俗語辞書」(http://zokugo-dict.com/20to/donbiki.htm

によると,

「もともとドン引きは映画撮影やTV撮影で使われる放送業界用語で、目一杯引いて撮る手法(広範囲を撮影するもので、ズームアウトともいう)のことを言った。ここから、芸人の間で、ギャグ、ネタが全くウケず、お客さん引いた状態のことをドン引きというようになる。」

とある。が,「どん」とつよめて,「引く」状態を言っていることには間違いない。

で,「土性骨」は,したがって,

性根,性質を強め,またののしって言うとあり,辞書によっては,

性質・根性を強調,またはののしっていう語。ど根性。「―をたたきなおす」
人をののしって,その背骨をいう語。「―をへし折るぞ」

と,区別するのもある。

いずれにしても,「土性骨」は,ただ根性の意ではなく,そこに悪意が含まれている。類語で言うと,

神経が図太い,
ちょっとやそっとでは動揺しない,
肝っ玉の大きい,
腹が据わる,

等々という意味で,

土性骨のすわった ,
土性骨のある,

という使い方もするが,

それがない奴に対して貶める,
あるいは,
相手への面罵の言い回し

として,の含意が強い気がする。昨今,あまり使われないのは,男気,心臓に毛が生えている,というのは,鈍感の代名詞のようになり下ったせいかもしれない。サムライがいなくなると,やたらとサムライを持ち上げるのは,蛮勇というか猪武者と同義だ。

暴虎馮河

とは,思慮のなさの代名詞である。僕は,臆病であることを称揚する。無駄にいきがるやつにろくなやつはいない。







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posted by Toshi at 05:20| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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