2015年09月16日

わくわく


わくわくは,擬態語である。

興奮して心が落ち着かず,胸が躍る状態,

を表す。『語感辞典』には,

嬉しいことを前にして期待で心が弾み,じっとしていられない意,

とあり,本来は,

「余りの期待で胸が高鳴るような場合に用いるが,近年,単に楽しみに待つ,という程度の軽い意味で頻用される」

とある。すこし「わくわく」のハードルが下がって,安売りされている,ということらしい。『古語辞典』には載っていないが,『大言海』には,

悶えて心の落ち着かざる状,又は,心の動揺する状に云う,

とあり,少しニュアンスが違う。

『語源由来辞典』

http://gogen-allguide.com/wa/wakuwaku.html

によると,

「ワクワクは,水などが地中からでるさまや,物事が急に現れるさまを意味する『沸く』から生まれたと考えられる。『沸く』は,『興味がわく』など感情が生じる際にも使われ,心の中から外へ激しく現れる感情やその様子を「ワクワク」と表現したものであろう。江戸時代には『わくつく』という語があり,『ワクワクする』という意味で使われていた」

とある。確かに,「わくつき」という言葉が,『古語辞典』には出ているが,どうも事態は逆ではないか。

わくわく

という表現があって,初めて,そういう感情になるのを,

わくつく,

と表現した,というのが,たとえば,

むかむか,

から,

むかつく,

となるように,自然に思える。第一,「沸く」という字を当てているのは如何なものか。「わく」には,

涌く
沸く
湧く

とあって,語源は,「曲(わ)+く」で,曲流地で水泡(みなわ)が上がってくるのが語源,とされる。それが転じて,湧水がわく,湯がわく,となる。それを,

「沸」は,泡が左右に押し退けて出ること
「湧(元は,涌)」は,下から上へ突き通して水がわき出ること

の漢字に当てはめて,使い分けている。しかし「わくわく」のニュアンスは,湧いたり,沸いたりする,感情が突出する状態とは違うのではないか。心が内で外へ出ようと沸き立っているが,それが外へ出ない状態と言っていい。その意味で,「沸く」説は,こじつけっぽい。

前に,「々,ゝ,〱,ゞ」といった踊り字について,

http://ppnetwork.seesaa.net/article/422553516.html

で書いたように,

すらすら,
さらさら,
すくすく,
しずしず,
にやにや

といった,くりかえしの「わく」自体には意味不明なことが多い。でも,わくわく,という表現が,心躍る様子をよく示す。これを,

わくわく

ワクワク
か,

の表記の差で,微妙に,わくわく度が違う。カタカナ表記の方が,僕には,踊る擬態がよく出ている気がする。

わくわくの類語は,

いそいそ
浮き浮き
ときめき
ドキドキ
胸キュン
ルンルン

等々,擬態語としては新旧さまざまあるが,

胸を躍らせる
期待を膨らませる
胸を高鳴らせる
胸をときめかす
胸弾ませる

等々と記述するよりは,はるかに,内からの心の弾みが伝わる,擬態語の効果を感じる。









今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
ラベル:わくわく 擬態語
posted by Toshi at 05:17| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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