2015年09月23日
へそくり
へそくりは,
臍繰り
とか
綜麻繰
とか当てるが,
「『へそくりがね』の略で、主に主婦が倹約や内職、バイトなどをして内緒で貯めたお金のこと。
また、「へそくりをする」という意味の『へそくる』という言葉もある。どちらも江戸時代から使われている言葉である。」
との説明がある。語源を調べると,いくつもの説がある。
ひとつは,「へ(綜)そ(麻)+繰り」で,紡いだ麻をつなぎ,環状に細長く幾重にも巻く糸車をへそ(綜麻・巻子)という,からきている。へそ(綜麻・巻子)は,苧環(おだまき)とも言うらしい。へそに麻糸を他人にわからないように繰り,少しずつ貯めたお金を指す。
いまひとつは,衣服の帯の下,つまり臍の辺りにわずかなものを貯え,やりくりして生みだしたお金,という。辞書(『広辞苑』)の当てた漢字,
臍繰り
とか
綜麻繰
が,この二説の反映している。
語源由来辞典(http://gogen-allguide.com/he/hesokuri.html)によると,
臍繰り金の略であるが,綜麻を繰って貯めたお金を意味する「綜麻繰り金」が原義,
とする。「綜麻」と「臍」が混同されたため,当て字で「臍繰り金」となった,さらに,「臍」は「ほぞ」とも言うことから,「ほぞくり金」「ほぞ金」とも言うようになった,としている。
古語辞典では,「臍繰り金(銀)」が載っていて,
主婦などが倹約して内密に貯えた金銭。へそくり。ほぞくりがね,へそがねとも。
と出ている。しかし,『大言海』は,へそくりを,
臍包(くる)みの約,
として,「へそくりがね」と同じとする。で,
一説に,綜麻(へそ)を繰りて貯へたる金の意,
としている。
日本語俗語辞典(http://zokugo-dict.com/29he/hesokuri.htm)は,
「語源については諸説あり、へそは紡いだ麻糸をつなげて巻き付けた糸巻である綜麻(へそ)をいい、『綜麻繰』とする説が有力。昔、女房が内職に綜麻を繰り、それで得たわずかな賃銭を蓄えたへそくり金を、約してへそくりとよぶようになったといわれる。
他には、へそは「臍」の意味で、銭や貴重品を腹巻などで腹に巻き付けておいたところから、他の人に知られないようにひそかにためておくこと、またはその隠し蓄えおいた金銭をいうことになったとする説もある。」
とまとめる。その由来の古さから考えても,どうやら,「綜麻繰」の方が正しいのではないか。
ところで,綜麻(へそ)は,
「『へ』は動詞『綜(へ)る』の連用形から。「そ」は「麻」。紡いだ糸を環状に幾重にも巻いたもの。おだま。おだまき。
である。
花のオダマキと,苧環と,いずれが先か,というと,
語源由来辞典(http://gogen-allguide.com/o/odamaki_syokubutsu.html)は,
「オダマキとは 、キンポウゲ科の多年草。高山に自生するミヤマオダマキを観賞用に栽培改良された もの。 【オダマキの語源・由来】. オダマキは、つむいだ麻糸を空洞の玉のように巻いた苧環に由来する。オダマキの花は,内側に曲がって満開せず,全他水に糸巻の枠のように見える。」
とするが,
「苧環は元来は機織りの際に麻糸をまいたもののことで、花の形からの連想である」
とするのもある。むしろ,
「花が開いた形と言うより、つぼみの形が苧環に近い」
といわれる。これが近いのだろう。糸繰は確かに,古くからあるが,花の名の方が先と考えた方が無難である。その名から,というよりそのカタチから糸繰の苧環を発案したのかもしれない。やはり,自然は,発想の母である。
今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
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