2015年10月23日


田口恵子2015個展

https://www.facebook.com/events/402371196623153/415606255299647/

に伺ってきた。フェイスブックの案内にあった画家の写真を借りると,こんな雰囲気である。以下で言及する作品が右手に見える。

田口展.jpg


個展案内に,

「ジェッソという盛り上げ材で下絵を描き,少し隆起したところで,その上から箔(主に銀箔)を画面一面に貼る。その上から,アクリル絵の具で彩色を施す」

と,プロデュースされた竹山貴氏の,画家の手法についての言及があった。拝見するのは,二度目くらいだと思うが,箔が貼ってあることを改めて意識して,今回は拝見した。

案内ハガキにあった「芥子」という絵に,

田口・芥子.jpg


この画家の典型的な視界がある。

言ってみると,カンバスに地を造る操作は,

平らにする
とか,
カンバス地の目を潰す,
とか,
地を調える,
とか,
描きやすくする,
とか,

等々,いろいろあるのだろうが,その瞬間に,画家の描く世界の,

地,

を造っている。ある意味,既に,

世界,

を設えている,というのに等しい。そう見て,箔を貼ることには,この作家独自の世界像があるのだろうと思う。で,見ているうちに,日本画という雰囲気からの連想か,

襖絵,

蒔絵,

絵付け,

を連想した。蒔絵は,いうまでもなく,ネットの説明を借りると,

「漆器の表面に漆で絵や文様、文字などを描き、それが乾かないうちに金や銀などの金属粉を『蒔く』ことで器面に定着させる技法である。金銀の薄板を定着させる『平文(ひょうもん)または、平脱(へいだつ)』や漆器表面に溝を彫って金銀箔を埋め込む『沈金(ちんきん)』、夜光貝、アワビ貝などを文様の形に切り透かしたものを貼ったり埋め込んだりする『螺鈿(らでん)』などとともに、漆器の代表的加飾技法の一つである。」

とある。それと似た絵と言いたいのではなく,蒔絵は,

漆を地とし,

襖絵は,

襖を地とし,

絵付けは,

陶器や磁器の肌を地とし,

その世界におのれの絵を描く,それと似ている,と言いたいだけだ。ただ,普通,地はあくまで地で,背景の絵の具で消される。しかし,この画家は,地の箔にこだわっている。そこが,

地を活かす,

というか,

地に活かされる,

という,蒔絵や襖絵を連想させたのだと思う。

しかし,そう連想させるのは,地の箔だけではないような気がする。

今回の作品のなかで,目に留まったのは,確か,

「闇にも咲く」(上記会場内写真の右から二番目)

「落葉」
と,

題された二作品だった。特に,僕は,「箔」の生きる,「落葉」がいいと,個人的には思ったが,箔の力のせいか,どの絵も,(画家の意識的な試みなのかもしれないが)

二次元に圧縮される,

感じを強く懐いた。押絵の感じである。それか,一層,蒔絵や絵付けを強く連想させた。

「闇にも咲く」

は,そういう二次元への圧縮力に反発するように,箔の余白全体に,色が滲み出て,箔を汚していく。汚していく,というのは変な言い方だが,箔の鈍い光と色とがせめぎ合う,という感じである。そうやって,箔が,まさに,地に沈んでいくことで,地の力が消え,二次元圧力が薄らぐ。

この作品に,変化を感じた。変化とは,時間である。時間とは,次元の増加である。







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今日のアイデア;
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posted by Toshi at 05:32| Comment(0) | 個展 | 更新情報をチェックする
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