2015年11月06日

まじない


「まじない(ひ)」は,

呪い,

と当てる。呪(のろい)と同じ字である。辞書(『広辞苑』)によると,

「(多く迷信として)神秘的なものの威力を借りて,災いを除いたり起こしたりする術。禁厭,厭勝,符呪,」

という意味が載っている。別の辞書では,

「神仏その他不可思議なものの威力を借りて、災いや病気などを起こしたり、また除いたりする術。」

とある。神仏も入るかどうかの違いだが,迷信とあるからには,いかがわしいものも含まれる,と見られる。実際,

「呪(まじな)う」

という動詞を見ると,

神仏または神秘的威力によって災禍を免れたり起こしたりすることを祈る,

という意味が載る。

呪(なじな)いの語源は,『語源辞典』には,

「魔+シ(行為)+ナヒ(接尾語)」

で,「魔の作用を実現するおこない」とある。ちょっと疑問。

『大言海』には,「まじなふ」について,

「マジは,蠱にて,彼方の體に,此方の霊の交わる意。ナフは,卜(うら)なふ,商(あき)なふのアフと同趣。蠱(まじ)を行ふ意。」

とある。意味として,

蠱物(まじもの)を構えて,人をしてそれに交わり,あやからしめんと詛(のろ)う(詛うは,凶(あ)しからしむるのみなれど,マジナフは,吉からしむるにも云う)。蠱物す。
物を構えて疾苦を止め直す。人のためにも,己れがためにもするなり(薬をも用い,業をもするあり)。

が載っている。因みに,「蠱物」は,「交物(まじもの)の意」で,辞書(『広辞苑』)によると,

災厄が被とに呼ぶように神霊に祈祷すること。またその法術,祝詞,大祓詞。
人を惑わすもの,

が載っている。「まじこり(蠱凝り)」という言葉があって,「マジは,マジナヒのマジに同じ」で,

呪術に熱中する,

という意味らしい。昔も今も,はまる人ははまるらしい。

「まじなふ」の「まじ」は,『古語辞典』

「マジコリ,マジモノ,マジワザなどのマジと同じ。人に対するのろい,病気の治癒など,善悪に関わらず呪術の意」

とあるように,「(彼方の體に,此方の霊の交わる)まじわる」意味なのだろう。霊を飛ばすことが,良くないと言われる所以である。別に,

http://okwave.jp/qa/q1235084.html

には,「まじなふ」の「なふ」は接尾語で、「伴なふ」「行なふ」「商なふ」「占なふ」「諾(うべ)なふ」「罪なふ」「誘(いざ)なふ」などに含まれるものと同じと,用例がより詳しく,

「『まじ』は名詞で『蠱』と書くことが多いようです。人形その他の『まじもの(蠱物)』を使い、呪法を行なって敵を滅ぼすなどの目的を達しようとすることを言ったものと思います。この意味を取って『呪』が当てられるようになりました。」

とある。しかし,

http://ppnetwork.seesaa.net/article/403152541.html

で触れたように,呪う

は,語源的には,

「祈る(ノル)」+「ふ」

で,基本は,「祈る」の延長戦上にあるものらしい。「呪」という字も,

口+兄

で,もともとは,「祈」と同じで,

神前で祈りの文句を称えること

なのだが,後,「祈」は,

幸いを祈る場合,

「呪」は,

不幸を祈る場合,

と分用されるようになった,とある。

いまもむかしも,おまじないは尽きず,「幸運をもたらすと信じられているもの」に,

御守り
護身符
お札
魔よけ
護符

等々があるが,考えれば,これも,蠱物で,そのお札やお守りという

「蠱物を構えて,人をしてそれに交わり,あやからしめんと詛(のろ)う」

という意味であり,ある意味,「彼方の體に,此方の霊の交わる」に変りはない。言ってみれば,日々そうして,交わっている,ということになる。




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