2015年12月14日

ひっぱりだこ


ひっぱりだこは,

引っ張り凧
とか,
引っ張り蛸

と当てられる。意味は,辞書(『広辞苑』)には,

多くの人から所望されること,
「はりつけ」の異称,

とある。もう,いまは,

「人気があって、多くの人から争って求められること。また、その人やその物」

という意味で使われることが多いだろう。

語源は,

「蛸の乾物を作るのに,その足を引っ張り拡げる」

から来ていて,

「あちこちの多くの人から,争って求められること」

となる。古くからの言葉のようで,『古語辞典』にも,

「蛸の足を竹串で四方に引き拡げて干すこと。またその干蛸」

とある。

はりつけの刑のこと

を指したのは,

「蛸の干物を作るときに、8本の足を広げて干していた姿が似ていることから、はりつけの刑の様子やその刑をまっている罪人のこと」

を指したらしい。

『語源由来辞典』には,

http://gogen-allguide.com/hi/hipparidako.html

「タコの干物を作る際,足を四方八方に広げて干された形に由来する。昔はその形から,はりつけの刑やその罪人を表す言葉として『ひっぱりだこ』は使われていたが,いつしかいまの意味に変化していった。本来は『引っ張り蛸』が正しく,『引っ張り凧』は誤りであるが,特に漢字で表記する言葉でなかったことや,凧の語源も蛸に通じることから,正しい表記として扱われるようになったと考えられる。」

とあるが,「凧」の字を当てたせいか,

「一説には、空に上がった凧(たこ)を大勢で引き合うこと」

ともいわれているようだが,やはり蛸を干している姿から来たというのが順当のようだ。

「蛸」の語源は,

「タ(手)+コ(接尾語)」

とされる。「蛸」の字は,

「虫+肖(細い,小さい)」

で,「卵からかえったばかりの小さく細い虫の子」だから,「くもやかまきりのたまごを表す熟語につかう」ので,「たこ」の意で使うのは,国字。「章魚」とも書く。「たこ」に,「蛸」の字を当てたのは,「たこ」を虫と見たのだろうか。

「凧」の語源は,

「イカノボリ,タコノボリ」

と言われるところから,

「干した蛸の形から」

来ているとされる。「凧の尻尾」は,タコやイカのアシとみている,と見られる。因みに,「凧」は,国字。

「風+布」

で,風に舞う布切れ,の意。

だから,『語源由来辞典』が言うように,元々,「凧」も「干蛸」から来ているのだから,「引っ張り凧」とあてても不思議はない。

因みに,「干し蛸のつくり方」というのがあった。

http://hyogo-nourinsuisangc.jp/6-mame/img/suisan/6.pdf

この連想で,『キングダム』の最新巻で「嫪毐(ろうあい)」が,車裂きの刑になるところがあった。車裂きの刑は,

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8A%E8%A3%82%E3%81%8D%E3%81%AE%E5%88%91

に詳しい。

参考文献;
増井金典『日本語源広辞典』(ミネルヴァ書房)



ホームページ;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/index.htm


今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
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