2015年12月29日

スピリチュアリズム


江原啓之『スピリチュアリズムを語る』を読む。

江原・スピリチュアリズム.jpg


「出会いは『宿命』です。しかし結婚するかどうかは『運命』です。」

という著者の言葉がある。それは,

「『運命』を築くという自由が与えられている」

ということでもある。たましいにとってたいせつなのは,「生き抜く」こと,

「生き抜くことに価値がある。」

だから,「たましい」は,自分自身の成長のために,

「自分で超えられない課題は選ばない」
「自分自身に必要な出来事しか起きない」

のだという。

スピリチュアリズムというのは,

どう生きるかという哲学,

なのだとつくづく思う。それは,

人から見られていることを意識する,

というのと,

人から見護られていることを意識する,

というのとの,差のように見える。人を意識しないで自己完結している人生は,歪んでいるとは思うが,その人を誰とするか,で,少し変わる。別に神である必要はない。

スピリチュアリズムというのは,

「ひとりひとりのなかに崇高な神の部分=神我(しんが)が宿っている」

と,とらえることだと,著者はいう。それを仏性(ぶっしょう)と置き換えてもいいかもしれない。だから,

「その人の生き方は,死にあらわれる。最後に生きざまがあらわれるわけです。」

と。まさに,

人事蓋棺定,

つまり,人の行事の是非善悪は棺の蓋をして定まる,である。だから,

「自分自身が生まれてきた目的を理解して,それをちゃんと行っていく姿勢」

が必要になる。同じことかもしれないが,

「価値があるから生きるのではない。生き抜くことに価値がある。」

とも言う。ふと,

http://ppnetwork.seesaa.net/article/410780513.html

で書いた,V・E・フランクルを思い出した。フランクルは問う。

人生が何を自分にしてくれるか,ではなく,自分が人生にどう応えるかだ,

と。そして,人間が実現できる価値は,創造価値,体験価値,態度価値,だと提唱した。

創造価値とは,人間が行動したり何かを作ったりすることで実現される価値である。仕事をしたり,芸術作品を創作したりすることがこれに当たる。
体験価値とは,人間が何かを体験することで実現される価値である。芸術を鑑賞したり,自然の美しさを体験したり,あるいは人を愛したりすることでこの価値は実現される。
態度価値とは,人間が運命を受け止める態度によって実現される価値である。

フランクルの,『夜と霧』を読むと,最後まで生き残るのは,

自分が生きる意味,

を意識している人々であった。

「なぜ生きるかを知っている者は,どのように生きることにも耐えられる」

と,そして必要なのは,

「生きる意味についての問いを百八十度転換することだ。わたしたちが生きていることから何を期待するかではなく,むしろ,ひたすら生きることがわたしたちから何を期待しているかが問題なのだ,」

それは,

何をするために自分はいるのか,

何をするために自分は生きているのか,

を意識しているということでもある。それを考えることこそが,

スピリチュアリティ

であるということなのではないか。マザー・テレサは,

祈りましょう,

と繰り返したが,著者は,

「祈りとは,『自分自身』という神を見つめること,つまり内観するということをいうのです。」

という。

内なる神と対話すること,である。それは,『論語』の,

日に三たび吾が身を省みる。人の為に謀りて忠ならざるか,朋友と交わりて信ならざるか,習わざりしを伝えしか,

であり,

一,至誠に悖る勿かりしか
一,言行に恥づる勿かりしか
一,気力に缺くる勿かりしか
一,努力に憾み勿かりしか
一,不精に亘る勿なかりしか

という五省にも通じるものがある(日本を占領したアメリカ海軍の英訳文がアナポリス海軍兵学校に掲示されたと聞く)。それは,

わたしはどうすべきか,

と,自らに問うことだ。答えは,おのれ自身の中にある。

「祈りとは自分自身に問いかけ,実践すること。決して神頼みすることでも,依存することでもありません。」

天については,

http://ppnetwork.seesaa.net/article/388163401.html

で触れた。

参考文献;
江原啓之『スピリチュアリズムを語る』(PARCO出版)
アン・ドゥーリー編『シルバー・パーチの霊訓』(潮文社)
ヴィクトール・E・フランクル『夜と霧』(みすず書房)
ヴィクトール・E・フランクル『それでも人生にイエスと言う』(春秋社)
貝塚茂樹訳注『論語』(中公文庫)


ホームページ;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/index.htm

今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
posted by Toshi at 05:52| Comment(0) | 書評 | 更新情報をチェックする
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