2016年01月05日

まずまず


まずまず,

というときは,

まあ,満足いく,

というニュアンスであろうか。

辞書(『広辞苑』)には,

先ず先ず,

と当て,

何はさておき,
どうやら,まあまあ,

という意味が載る。「まず」の語源は,

「軽い感動のマア」

で,

何とマア,
マア何より,
マア何よりも先に,
まず初めに,

このような過程で,「マズ(先ず)」が成立した,とする。

「先ず(先づ)」は,『古語辞典』には,

まっさきに,第一に,
他のことよりも先に,とりあえず,
(否定の表現を伴って)どうにもこうにも,いっこうに,

といった意味が載る。『大言海』は,

「前に通ず」

と注記して,

先に,かねて,先立ちて,
しばらく,まあ,とりあえず,

と出る。たとえば,

「先ずは,一献」
とか,
「先ずは,ビール」

という使い方に鑑みると,

さしあたり,
とか,
当座,

といった場つなぎの含意がある。

語源から考えると,

まあまあ,

と,ほぼ重なるのかもしれない。まあまあは,しかし,辞書(『広辞苑』)には,

かなりの程度に,
まずまず,

あるいは,

(相手をなだめるときなどに)さしあたりこの場は,しばらくは,ともかく,

という意味がある。

そう考えると,

まずまず,

まあまあ,
も,

とりあえずの合格点,
十分ではないがある水準は超えた,
完全ではないが一応許容できる,

という含意で,そこには,

今のところは,これでいいが,将来は,これではだめ,

という意味合いが含まれている気がする。しかし,

まあまあだな,

と言われるのと,

まずまずだな,

と言われるのと,言われた側の印象はどうだろう。どうも,個人的には,

まずまず,

の方が,高い評価に聞こえる。まあまあには,

君の実力からみると,

という含意があり,まずまずには,

これからの期待を込めて,

という含意があるように感じる。それは,「先ず」の「先」の字のイメージからくるのかもしれない。

「先」は,

「足+人の形」

で,跣(はだしの足先)の原字。足先は,人体の先端に当たるので,先後の先の意となった,とある。そうみると,「まずまず」には,

その人のなかでは,いい方,

というニュアンスも含まれているかもしれない。

そこそこ,まあまあ,まずまず,の比較は,

http://ppnetwork.seesaa.net/article/405919893.html

で触れたので,それと一部重複するかもしれない。

参考文献;
増井金典『日本語源広辞典』(ミネルヴァ書房)
藤堂明保他編『漢字源』(学習研究社)


ホームページ;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/index.htm

今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
posted by Toshi at 05:38| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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