2016年02月02日

縄墨


縄墨は,

じょうぼく

と訓む。

守るべき規準。規則。また,標準

の意味である。

墨縄,

とすると,

すみなわ,

と訓む。意味は同じ。

墨糸,

と同じである。辞書(『広辞苑』)には,墨壺を参照と出る。墨壺は,

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A2%A8%E5%A3%BA

に詳しいが,

墨壺.jpg


墨汁を淹れた壺,

だが,

「大工や石工などが直線を引くのに用いる道具。一方に墨肉を入れ,他方に糸(墨糸)を巻き付けた車をつけ,糸は墨池の中を通し,端に仮子(かりこ)という小錐(こきり)をつける。墨糸を加工材に真直ぐに張って,垂直に軽く弾くと,黒線が材面に印される。」

という使い方をする。昔は,建築現場で見かけたことがある。しかし,今は,アマゾンや楽天を見ると,原理は同じなのだろうが,オシャレになっている。

いまの墨壺.jpg


同じ,標準とか規律という意味でも,

縄矩,

というのがある。

じょうく

と訓む。意味は,

墨縄(すみなわ)と差し金,

を指す。

縄規,

と同じ意味だが,

すみなわとぶんまわし,

の意になる。ぶんまわしとは,

縁を書くのに用いる具。いまで言う,コンパスのことである。

縄尺(じょうじゃく)は,

墨縄と物差し,

と,意味は同じだが,墨から,墨糸,コンパス,物差しまで,セットで,規準という意味のメタファとして使っていたということになる。

由来は多分同じだから,意味も同じだが,

規矩準縄(きくじゅんじょう)
規矩縄墨(きくじょうぼく)
規矩標準(きくひょうじゅん)
鉤縄規矩(こうじょうきく)

といった四文字熟語もある。

「規」は円を描くときに使うコンパス。
「矩」は長さを測るための指矩(さしがね)のこと。
「準」は水平を測るための水準器。
「縄」は直線を引くための墨縄(すみなわ)のこと。
「鉤」は曲線を引く時に使う道具。

と,それぞれの道具を元にしているのも同じである。しかし,大工や石工の現場が判っていてこそのメタファだ。その道具が,プレハブ住宅が増え,人の目に触れにくくなったせいか,言葉から意味が受け取りにくくなった。それに代わる豊かな現実がなければ,言葉軽く,浮遊することになるような気がする。いま,メタファと現実が逆転していはしまいか。

参考文献;
藤堂明保他編『漢字源』(学習研究社)
簡野道明『字源』(角川書店)

ホームページ;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/index.htm

今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm



posted by Toshi at 05:21| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください