2016年02月05日

自分を生きる


第78回ブリーフ・セラピー研究会 定例研究会,平木典子先生の「ライフキャリア・カウンセリングへの道ーワーク・ライフ・バランスとは何だろう?」に伺ってきた。

平木先生からのメッセージには,

「家族療法とキャリア・カウンセリングに関わってきた私には、『ワーク・ライフ・バランス』と『仕事と家族の葛藤』は常に実践の中に現れるテーマでしたが、仕事と生活はバランスとか葛藤といった対立的なイメージで語られるものではないのではないか、という問いが今回のテーマの意味です。キャリアとは、もともと『生涯の生き方』を意味する言葉であり、『仕事』という意味になってしまったところから、対立のイメージが生まれたかもしれません。そんな問題意識を持って、以下のようなことをご一緒に考えてみたいと思います。
 1.キャリア・カウンセリグの意味の変遷(講義)
 2.ライフキャリアの探り方(演習)
 3.自分を生きるとは(講義)
 4.あなたは、どんなライフキャリアを送ろうとしているだろうか?(演習)」

同会での平木先生については,

http://ppnetwork.seesaa.net/article/420367918.html

http://ppnetwork.seesaa.net/article/410724005.html

http://ppnetwork.seesaa.net/article/395253856.html

で触れたことがある。多少重複するかもしれない。

キャリアカウンセリングは,

仕事のガイダンスから,仕事と自分のマッチングを経て,現在,

「自分がこの時代のなかで,どうすれば自分を生かして,自分の能力を開発し,職業を選択していくか」

という,人生の主体としての「生き方」そのもの(「内的キャリア」)を掘り下げることに関わることだ,というところにきている。それは,究極,自分のキャリアは,自分で,

つくる(起業)

しかない,ということになる。別の言い方をすれば,

「自分の課題を追求し,いざというときに,自分のさまざまなものを準備していく(レディネス),そういうものがあれば,選択できる,

のではないか。ある面,ドナルド・E・スーパーの言う

「キャリアとは,人生の各時期(キャリアステージ)で果たすライフロールの組み合わせであり,キャリアの発達は一生を通じて,自分のライフロールのなかで行う選択と意思決定の継続」

ではある。その中で,

選択したこともあるし,
選択を強いられたこともあるし,
状況によってコントロールされたこともある,

その意味で,

個人的な部分,
社会的な部分,

は選べない。しかし,それを,

どうとらえるか,

で違ってくる。人は,

自己完結

して生きているのではない。常に,関係性のなかで,生きている。吉本隆明の言う,

関係の絶対性,

である。そう,

人間関係のなかで生まれ,
人間関係の中でいき,
人間関係のなかで死んでいく,

とき,サヴィカス曰く,

「自分らしく生きろ」

なんて,生きてくる中で,言われたことがあるか,と。多くは,

「世の中で生きていくにはこうしたほうがいい」

と言われてきたはずだ。そのこと自体がいけないのではない。必要なのは,

自分の道を探ること,

だが,それは,

その人のストーリーのなかに自分自身がどれくらいいるか,

ということでもある。起業,とは,

ひとりひとり起業家のように自分のことを考えていかないと自分らしく生きられない,

という意味であり,

自分の人生の著述家,

になるという意味でもある。

自分の人生のストーリーを自分で作っていくのが自分の人生ではないか,

ということに尽きる。その意味で,ナラティヴのもつ,

自分が選ばされたストーリーと選んだストーリーの渾然一体の中から,見えていない自分を聞きだして,その人のテーマをつなげていく,

というアプローチは,互いに語り合いながら,

共構成,

する作業として面白い。それは,日常生活の中で,

お互いがわかりあう,

とは,「あなたのいいたいことはこういうことだよね」と。わかりあう機会をいっぱい作り,そうやって,その人との関係のなかで人生が作られていくことの,一つのモデル,というか象徴でもある。

自分の物語を探し出す基準は,

関心,
こだわり,

にあり,例えば,

小さいときに何に熱中していたの,

という問いから,その人のテーマが引き出されてくる。

人は,大切にしていることは決して忘れていない,そういうテーマをつなげていくことで,その人の分厚い人生が語り出されていく。

「人は自らに影響を与える一つの世界観(『ストーリー』もしくは『物語』)を積極的に作り出している。」

参考文献;
マーク・L・サビカス『キャリア・カウンセリング理論』(福村出版)

ホームページ;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/index.htm

今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm



posted by Toshi at 05:29| Comment(0) | カウンセリング | 更新情報をチェックする
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