2016年02月07日

僭上


僭上は,

古くは「せんしょう」とも,

と言われ,『古語辞典』には,確かに,

せんしゃう,

で載る。

身分・分際を超えて上のものの真似をすること,
身分・分際を超えて,驕り高ぶること,

という意味になる。辞書(『広辞苑 第五版』)には載らないが,古い『広辞苑』には,

身分を超えて驕り高ぶること,
長上をしのぐこと,

と載る。最近は使われなくなった,ということだろう。因みに,長上とは,

年長,目上,

を指す。『デジタル大辞泉』には,僭上は,

1 身分を越えて出過ぎた行いをすること。また、そのさま。「―な振る舞い」
2 分を過ぎたぜいたくをすること。また、そのさま。
3 大言壮語すること。また、そのさま。

の意味が載る。

僭上の沙汰,
とか,
僭上振り,

と言った使い方をする。『大言海』には,

身分を超えて物事をすること,ほしいままに,分際を犯すこと,臣として妄りに君の真似ををすること,
自分のことを誇張して云ふこと,

と載る。分際とは,辞書(『広辞苑』)には,

その者に応じた程度・限界,
身の程,分限,身分,

と載るが,『大言海』がそのニュアンスを的確に伝える。

かぎり,ほど,分限,
身の分に応ずるほど,身分,

を指す。とっさに浮かぶのは,

僭越,

という言葉だが,僭越は,

身分・地位を超えて出過ぎたことをする,

つまりは,

でしゃばり,

ということになる。

違いは,僭上は,

真似,

だが,

僭越は,

出過ぎ,

というところか。いずれも,身分の上のものからの視点で,癪に障るというか,いまいましい,と思うということだ。その振る舞いを,前提なく見たら,つまり,身分低きものが,分際を弁えず,

しゃしゃり出ているように見える,

というところがみそだ。だから,類語は,価値を味付けすると,

厚顔,厚かましさ,ずうずうしい,たけだけしい,

という意味になる。しかし,価値の眼鏡を剥ぎ取ると,そこにあるのは,

身分は低いがすぐれた才能,

ということを,暗に言っていることが多い。それは,身分や長幼で押さえつけなければ,

逸材,

であることが,少なくないのではないか。それを,

逸足,

と言う。逸足とは,

足の速いこと。また、そのもの。駿足 ,
すぐれた能力をもっていること。また、その人。逸材,

という意味である。

先日,写真家の大野純一氏が,ツイッターで,

「欧米のビジネスでは、互いのモチベーションを高め合うことで結果を出し、日本のビジネスでは、飛び抜けた結果を出す人間の足を嫉妬で引きずり下ろし合う。この二つの違いでは、生産性が3倍。実質的な金額では700倍の差が出ると言われています。研究や芸術、政治なども全く同じ構造だと思います。」

と発言されていたことを思い出す。



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posted by Toshi at 05:18| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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