2016年02月29日

二才野郎


「二才野郎」の二才は,

青二才,

というときの,

二才である。青二才については,

http://ppnetwork.seesaa.net/article/424189792.html

で,「若造」に関連して,触れたが,「青」は,未熟の意。

人柄,技両の未熟なること,

と,『大言海』にはある。二才は,

「アオ(未熟)+ニサイ(幼魚)」

で,ボラなどの幼魚を二才,というのに喩えて,

歳若く経験の乏しい男を罵って言うという。

『語源辞典』には,

「アオ(若く,経験浅く,未熟)+ニサイ(新背,新成人)」

とする説もある,とする。若者組に入る新入りを,「新背(にいせ)」といい,それが訛ったとする。

『語源由来辞典』

http://gogen-allguide.com/a/aonisai.html

には,

「青二才の『青』は、『青臭い』や『青侍』などと用いるように、未熟な者を表す接頭語。 青二才の『二才』には二通りの説があり、正確な語源は未詳。 ひとつは、若者組(現在の青年 団)に入るニューフェイスを『新背(にいせ)』といい、転訛して『にさい』になったとする説。この説では,新来者を馬鹿にする言葉として『青にせー』という語が生まれ,『五才』を『ごせー』『六才』を『ろくせー』と言うことから、『二才』の字が当てられ『青二才』になったとされる。九州南部地方では、若者を『にせー』や『にさい』と言う。もうひとつは,ボラなどの稚魚を『二才魚』『二才子』『二才』などと呼ぶことから喩え、『青二才』となったとする説で,一般的にはこの説が有力とされている。」

と,懇切に説いている。

「二才野郎」

という罵り言葉があるらしいが,二才とは,

若造,

といったニュアンスになるのだろう。『大言海』は,

動物の生まれて二年になるもの,特に,すずき,ぼらなどの二年子,

と載せて,加えて,

若者を卑しめて罵る語,

とあり,

毛二才
とか
小二才

といった言い方もしたらしい。

「野郎」についても,

http://ppnetwork.seesaa.net/article/431378141.html

で触れたが,野郎の語源は,

「ワラワ(童)変化,和郎」

と,

「ヤ(野)+ロウ(郎)」

の混淆した語,とされる。

「和郎(若者・若僧)と野郎(田舎者)は,どちらも男を罵る語」

とあるところを見ると,罵る言葉の原義らしい。つまり,

二才野郎,

というのは,

「青二才」

に加えて,

野郎のもつ言葉の陰翳,

「おかま」

という罵りのニュアンスを込めているように見える。前にも書いたように,『大言海』は,

野郎
野良

の字を当て,まず,

「薩摩にて,人を罵り呼ぶに和郎(わろう)と云ふ。此語,童(わらわ)の音便なるべし,(童は,古へは,冠を放ちて,わらは形なるを,痛く卑しむる世なれば,云ひしなり)其の和郎の野郎に転じたるなり。さやぐのさわぐ,わやくのわわくの類なり」

と注記し,

「薩摩詞にて,男子を卑しめ呼ぶ語と云ふ。又,貴人にむかへて,下郎を賤めて云ふ」

が意味の最初に来る。次に,

「承応元年,若衆歌舞伎の男色を売る甚だしきによりて,令して前髪を剃り落さしめ,成人の如くならしめし者の称。紫の帽子を被りて,成人の姿を隠す。これに因りて,野郎頭,野郎帽子の名起こる。」

とある。これが転じて,

「直に孌童(かげま)の称。」

と変る。しかし,前にも,

http://ppnetwork.seesaa.net/article/388163232.html

で書いたが,新渡戸稲造が美化した「武士道」への批判として,

「薩摩琵琶と関係の親密な『賤のおだまき』は之を何とか評せん。元禄文学などに一つの題目となれる最も忌まわしき武士の猥褻は,余りに詩的に武士道を謳歌する者をして調子に乗らざらしむる車の歯止めなるべし。


とあったように,「薩摩藩でとりわけ男色の習俗が顕著」であったらしいことを思うと,微妙なのだが,だとしても,というか,だからこそ,

二才野郎,

などと表面きって罵られることは,最大の恥辱だったに違いない。


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posted by Toshi at 05:34| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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