2016年10月20日

こてんこてん


「こてんこてん」は,

「肉体的または精神的な打撃が徹底的であるさま。完膚なきさま。」

という意味である(『広辞苑』)。

こてんこてんにやられた,

といった使い方をする。

「こてんぱん」というのも似た意味で,

「論争などで徹底的にやり込めるさま。」

という意味である(『広辞苑』)。

こてんぱんに批判される,

という使い方をする。似た言い方だと,

「けちょんけちょん」

というのがある。

「徹底的にけなされたりやりこめられたりして体をなさないさま。」

という意味である(『広辞苑』)。

けちょんけちょんに打ち負かされる,

という使い方をする。前に,

http://ppnetwork.seesaa.net/article/442227869.html

で取り上げた,「ずたぼろ」も似た意味である。『広辞苑』には載らないが,

ズタボロ,

とも表記し,『実用日本語表現辞典』

http://www.weblio.jp/content/%E3%81%9A%E3%81%9F%E3%81%BC%E3%82%8D

には,

「ずたずたのぼろぼろ、を略した表現。切れ切れに切り裂かれてどうしようもなく壊れた様子などを意味する表現。」

とある。同じく, 『辞書(広辞苑』)には,者を叩く音とか穴が開いている,という擬音語や擬態語としてのっいるが,

ボコられる,
ボッコボッコにされる,

というのは,

叩きのめされる,

という意味である。やはり,辞書(『広辞苑』)に載らないが,

フルボッコ,
フルボッコされる

というのも,『ニコニコ大百科』

http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%9C%E3%83%83%E3%82%B3

によると,

「『フルパワーでボッコボコ』の略である。すなわち、『一方的な展開で打ちのめすこと、あるいはされること』である。」

とある。そして,

「この言葉も日々使用シーンが多様化しており、必ずしも『フル』がフルパワーというニュアンスを含まない用法も散見される。もっとも多く見られるのは、単に『完膚なきまでに叩きのめす』という意味で用いられるケースだ。完膚とは傷のない肌のこと。つまり無傷のところが無いほど徹底的に痛めつける(または痛めつけられる)様子を表わしている。簡単に言うと、原作版でジャイアンにフルボッコにされるのび太を想像してみてほしい。この場合の『フル』は単に『全身くまなく』『余すところなく』というニュアンスであり、必ずしもジャイアンがフルパワーであるとは限らない。『フルにボッコボコ』という、ボコられ側の視点に立った用法と言える。
また、『周囲にフルボッコにされる』という使われ方の場合、『フルボッコ=袋叩き』のニュアンスが強く、この場合の『フル』はどちらかといえば『フルメンバー』という意味合いであろう。たとえば2ちゃんねるなどの掲示板において、うかつな発言をしてしまった人物がその場にいる全員から責められ、批判され、孤立無援で総ツッコミを受けている場面などは「フルボッコ」と表現して差し支えあるまい。」

と説く。現在進行形の言い回しのようだ。『日本語俗語辞典』

http://zokugo-dict.com/28hu/hurubokko.htm

も,2007年頃として,

「フルボッコのフルとはフルパワーの略で『力の限り』『全力で』といった意味になる。ボッコはひどく殴りつける様を表すボコボコの語感を強めたボッコボコの略である。つまり、フルボッコで力の限り殴りつける様=徹底的に殴りつける様を表す。実際のケンカの様子を現す際に使われる他、格闘技に関するブログ記事や格闘ゲームなどに見ることが出来る(=『フルボッコにしてやんよ』)。また、これとは別に、「(古くて)壊れそう」という意味の『ぼっこ(ぼっこいの略)』に『古い』をつけ、古くておんぼろ(ボロボロ)なものを指して使うこともある。」

と書く。「ぼこぼこ」の意味の強化とみていい。

こうみると,

けちょんけちょん,
こてんぱん,
こてんこてん,
ぼこぼこ,

いずれも,「相手を手ひどくやっつける」意味の,擬音語ないし擬態語とみられる。『擬音語・擬態語辞典』によると,

けちょんけちょん,

のみ,他とは違うニュアンスがあり,

「主に精神的ダメージを与える際に使われる。」

とある。「こてんぱん」は,

「完全に相手を打ちのめすまで,徹底的にやっつける」

意味だだが,

「こてんぱあ」

だと,「こてんぱんほど手厳しい感じはともなわない。」という。

「こてんこてん」

は,「徹底的にやっつけたり,やっつけられたりする」意だが,

次から次とやっつける,

というニュアンスがある。

「ぼこぼこ」

は,どうやら,

「表面の薄く空洞の物語などを,やや強く何度もたたく音」

で,そこからなぞらえて,

人を何度も殴ったり,徹底的に相手をやっつけたりする様子,

に転用された,とみることができる。これが,

ぽこぽこ,

と,半濁音になると,叩き方が軽くなる。思えば,和語は,抽象度の高い概念の言葉を創り出すのは,あまり上手ではないが,文脈依存だから,幾らでも,擬音語・擬態語を創り出せる。多く,流行語がその類なのは,不思議ではない。

参考文献;
山口仲美編『擬音語・擬態語辞典』(講談社学術文庫)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm

今日のアイデア;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/idea00.htm

posted by Toshi at 05:05| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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