2017年03月26日

やま


「やま」は,

山,

のことである。例えば,『デジタル大辞泉』を見ると,

「1 陸地の表面が周辺の土地よりも高く盛り上がった所。日本では古来、草木が生い茂り、さまざまな恵みをもたらす場所としてとらえる。また、古くは神が住む神聖な地域として、信仰の対象や修行の場とされた。
2 鉱山。鉱物資源を採掘するための施設。また、採掘業。
 3
㋐土や砂で1の地形を模したもの。「築山」「砂山」
㋑祭礼の山車 (だし) で、1に似せて作った飾り物。舁 (か) き山と曳 (ひ) き山とがある。また山鉾 (やまぼこ) の総称。
㋒能や歌舞伎で、竹の枠に張った幕に、笹や木の枝葉をかぶせた作り物。
4 高く盛り上がった状態を、1になぞらえていう語。
㋐高く積み上げたもの。
㋑物の一部で周辺よりも突出しているところ。
㋒振動や波動で、周囲よりも波形の高いところ。
5 たくさん寄り集まっていることや多いことを、1になぞらえていう語。
6 進行する物事の中で、高まって頂点に達する部分を1にたとえていう語。
㋐事の成り行きのうえで、それをどうのりこえるかで成否が決まるという、重要な部分。
㋑文芸などで、展開のうえで最も重要な部分。最もおもしろいところや、最も関心をひく部分。
7 できることの上限をいう語。精一杯。関の山。
8 見込みの薄さや不確かさを、鉱脈を掘り当てるのが運まかせだったことにたとえていう語。
㋐万一の幸運をあてにすること。
㋑偶然の的中をあてにした予想。山勘。「試験の山が外れる」
9 犯罪事件。主に警察やマスコミが用いる。「大きな山を手がける」
10 《多く山中につくられたところから》陵墓。山陵。
11 高くてゆるぎないもの。頼りとなる崇高なもの。
12 寺。また、境内。
13 遊女。女郎。
14 動植物名の上に付いて、山野にすんでいたり自生していたりする意を表す。
15比叡山 (ひえいざん) の称。また、そこにある延暦寺 (えんりゃくじ) のこと。

等々,盛り上がる,山をなすものに準えて言うので,意味はいくらでも膨らむ。,このほかに,助数詞として,

1 盛り分けたものを数えるのに用いる。「一山三〇〇円」
2 山、特に山林や鉱山を数えるのに用いる。

という使い方もあるし,接頭語として,

野生なるもの,

を表して,山犬,山猫,山椿,山男,

等々にも使う。

総じて,「山」の字がなければ,わかりにくいところだ。「山」の字は,象形文字で,

「△型のやまを描いたもので,△型をなした分水嶺のこと」

とある。さらに,

「地の高起せるもの。峰・嶺・岳・丘・阜・岡等の総称」

ともある。『古語辞典』には,

「『野』『里』に対して人の住まない所」

とある。「やま」の語源は,『日本語源広辞典』には,

「諸説が多く,みな信じがたいですが,『ヤマの二音節を分析せず,一語』そのものと見るべきと思います。『高くそびえ,盛り上がったところ』がヤマです。山の神が存在する神聖な地です。」

とある。その意味からすれば,

「祭礼の山車 (だし)」

が「ヤマ」と呼ばれるのは,「ヤマ」が,

神が住む神聖な地域,

という意味だけではなく,三輪山が大神(おおみわ)神社の神体であるように,

神体,

であるからこそ,それに似せた飾り物を「ヤマ」と呼んだに違いないのである。

三輪山.JPG

三輪山


『日本語源大辞典』には,

「陸地の表面が周囲よりも高くそびえたつ地形。また,それの多く集まっている地帯。山岳。日本では古来,神が住む神聖な地域とされ,信仰の対象」

されたとして,その語源を,

不動の意でヤム(止)の転(日本釈名・和訓栞),
どこにでもあるもので,不尽というところからヤマヌの意か(和句解),
ヤマ(弥間)の義(東雅・国語の語根とその分析),
イヤモエ(弥萌)の約か(菊池俗語考),
イヤモリクガ(弥盛陸)の義(日本語語原学),
弥盛の義(日本語源),
弥円の義か(名言通),
ヤハニ(弥土)の義(言元梯),
イヤホナ(弥穂生)の約(和訓集説),
ヤはいやが上に重なる意。マは丸い意(槙のいた屋),
イハムラ(石群)の反(名語記),
ヤマ(矢座)から出た語で,マはバ(場)と同じ(万葉集叢攷),
陸地の意のアイヌ語から(アイヌ語からみた日本地名研究),

等々の諸説を載せる。

「諸説が多く,みな信じがたいです」

というのがよくわかる。

Yama,

は,結局語源はわからない。僕は擬態語から来ているのではないか,という気がするが,もはやわからない,というべきだろう。

参考文献;
増井金典『日本語源広辞典』(ミネルヴァ書房)
前田富祺編『日本語源大辞典』 (小学館)
大野晋・佐竹 昭広・ 前田金五郎編『古語辞典 補訂版』(岩波書店)
藤堂明保他編『漢字源』(学習研究社)
簡野道明『字源』(角川書店)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%BC%AA%E5%B1%B1

ホームページ;
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今日のアイデア;
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ラベル:やま 神体
posted by Toshi at 05:13| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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