2017年03月28日

みず


「みず」は,旧かなでは,

みづ,

と表記する。「水」のことである。『大言海』には,こうある。

「此語,清濁両呼なれば,満(みつ)の義か。終止形の名詞形は,粟生(あはふ)の類。水の神の罔象(みづは),美都波(みつは)(神代記,上)あり」

『日本語源広辞典』には,
 
「語源は,『ミ(水)+ヅ(接尾語)』です。海,湖を,ミ,渠,溝を,ミゾ,水脈を,ミヲと呼んだこと,水が一杯になることをミツ(満つ,充つ)と表したことと関連があるようです。朝鮮語ムルと関係があるという説もあるが不明です。」

とある。『古語辞典』には,

「朝鮮語milと同源」

とある。しかし,「みづ(ず)」ではなく,「み」で水を指したとすると,この説は如何であろうか。

水.jpg


『古語辞典』の「み」の項には,

「複合語として用いる。」

として,

垂水(たるみ),水草(みくさ),水漬き(みづき),水(み)な門(と),

の例が載っている。『大言海』にも,

水(み)際,水(み)岬,水(み)鴨,水(み)菰,

さらに,『日本語源広辞典』にも,

みなと(港),みかみ(水神),みくさ(水草),みぎわ(汀),みくまり(水配り),みづく(水漬く)屍,みぎり(砌),みなくち(水の口),

等々の例が載る。あるいは,「水の流れる筋」という意味の,

みお(水脈・澪・水尾),

という表現も,

みを(水緒),
みづを(水尾),
みづおほ(水多),

と,やはり,「み(水)」を中心に成り立つ。「うみ」

うみ

で触れたように,

「ウ(大)+ミ(水)」

という説もある。古くは,「み」と言ったと見なすべきなのだろう。『語源由来辞典』

http://gogen-allguide.com/mi/mizu.html



「旧カナは『みづ』で、語源は以下のとおり諸説ある。 朝鮮語で『水』を意味する「ムル」からとする説。『満・充(みつ)』に通ずるとする説。その他、『満出(みちいづ)』『充足(みち たる)』『実(みのる)』などで、『満・充(みつ)』の説がやや有力とされるが、正確な語源は未詳である。生命を繋げるものであることから、『み』が『身』のことで『生命』を意味し、『ず』は繋げるを意味するといった説もあるが考えがたい。」

としている。『日本語源大辞典』は,諸説を,

ミツ(満)の義(槙のいた屋・大言海),
ミツ(充)に通ず(国語の語幹とその分類),
ミチイヅ(満出)の義(名言通),
ミチタル(充足)の反(名語記),
イヅ(出)の義(日本釈名),
ミノル(実)の転(言葉の根しらべ),
ニツ(土津)の義(言元梯),
ミはマサリ(益)の約,ツはタル(足)の約(和訓集説),
カイヅ(海津)の義(和句解),
道の転(和語私臆鈔),
朝鮮語で水の意のムルから(風土と言葉),

等々と挙げている。「み(水)」の語源を解明するには足りないようだ。因みに「水」の字は,

「水の流れの姿を描いた」

象形文字,という。

水.png

甲骨文字


参考文献;
増井金典『日本語源広辞典』(ミネルヴァ書房)
前田富祺編『日本語源大辞典』 (小学館)
大野晋・佐竹 昭広・ 前田金五郎編『古語辞典 補訂版』(岩波書店)
https://ja.wiktionary.org/wiki/%E6%B0%B4
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4

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ラベル:みず みづ
posted by Toshi at 05:45| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする
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